「ちゃぶ屋」という店だそうで、その店自身も、今や表参道だとか、六本木ヒルズだとかに出店していて、レストランかと思うようなおしゃれな空間で、上品なラーメンを食べるというのがコンセプトらしい。
たしかにこのごろの東京のラーメンというと、とにかく濃いとか、量が多いとか、しこたま煮干が入っているとか、どちらかといえば欠食児童向き、おしゃれとは程遠いのが多かったから、この路線は新しいのかもな。
この麺屋黒船も、その路線は踏襲していて、「ジャズの流れるおしゃれなお店」というのが、ひとつのセールスポイントらしいが、それほどおしゃれとは思わなかった。
メニューは、醤油、味噌、塩、辛味噌、それにつけ麺があって、これは醤油味。
650円。
魚介だしとのダブルスープが全盛の今にあって、これは澄んだ豚骨スープで勝負している。
それに背脂でコクを出しているが、京都の醤油豚骨とはまったくちがって、やはりこれは東京の味、焦がしネギで風味を出している。
チャーシューは、チャーシューというより角煮のうす切りと言ったほうがよい、やわらかな仕上がり。
それに太もやしと青ネギ、海苔のトッピング。
東京のラーメンというと、大勝軒に代表される、煮干だしがたっぷり入った、こってりしたスープに太い麺、という流れのほかに、屋台系のあっさりした鶏がらスープで、いかにも中華そばという感じのもの、それからタンメンとかウマニソバとか、中華鍋をつかって調理する、簡易中華屋の出すラーメン、という流れがあると思うのだが、ここのラーメンは、いま最後にあげた、簡易中華屋の流れを汲んでるな。
それをおしゃれに洗練させた、というイメージだ。
白ネギがたっぷりと刻み込まれていて、ゴマ油の風味がする。
ちょっと食べ過ぎた。
まあしかしラーメンというのは、次から次へと、新種が登場するというのが、おもしろさの一つだよな。
麺屋 黒船 （ラーメン / 西院駅（阪急）、山ノ内駅、西院駅（京福））
昼総合点★★★☆☆ 3.0