2009-05-30

大阪豊崎 「らーめん弥七」

3時間ほど昼寝して起きたら、両脚のすねがつった。
ドリンク2本はやっぱりすごいな。
そんなことはいいが。

大阪に行ったらやはり、広島国泰寺「歩いていこう」の修行店でもあるこの店に行ってみなくちゃと思ったのだ。
仕事の現場がちょうど中津近辺だったこともあるし。
昼の1時半過ぎに行ったのだが、平日だし時間も外れてるからそんなに待たないだろうと思ったらとんでもない、歩道の両端にずらりと行列、店外店内合わせて30分強の待ち時間。
でも1時間位待つ時もあるみたいだから、これでも行列は短かったみたい。
春先のいい季節だったから良かったが、夏は大変だな。

この店、ラーメングランプリの大賞を取ったらしい。
どこが主催する、どんなグランプリか知らないが。
元々東京で人気店だったのが、虎キチが高じて大阪に移転してきたのだとか。

メニューは醤油に塩、つけ麺、ヘタめし。
塩ラーメンにはシソが入っているそうだ。
なるほど、「歩いていこう」の塩ラーメンに浮かんでいる緑色の断片が、ハーブなのか、青のりなのか、シソなのか、コメントで話題になったのだが、これはたぶん、シソが正解なんだな。

醤油ラーメン700円。

スープは白濁したクリーミーな鶏のだしに、カツオ節の風味、それに香味油。
トッピングは、分厚く、濃いめに味の付いたホロホロチャーシュー、白髪ねぎ、写真では切れてしまったが糸唐辛子、青ねぎ、玉ねぎのみじん切り、半熟玉子。

麺は自家製麺、けっこう太め。
店の奥に製麺室があった。

「歩いていこう」との比較を先にしておくと、基本的な構成は同じなのだが、こちらがカツオ節を使っているのに対して、歩いていこうではサバ節か何か、もっと強い風味のものを使っていたと思うのと、麺が歩いていこうの方がもっと太くてコシがある。
スパゲティー級だもんな、あちらは。
だから歩いていこうは、弥七の味をベースにしながら、もっとパンチを利かせるように工夫した、というところなんじゃないかと思う。
こちら弥七は、もっと普通のラーメンっぽい。

スープの構成が、白濁した濃厚な動物だしに魚介だしのダブルスープ、それに香味油というのは、まあ僕はこの手のラーメン屋、それほど食べ歩いていないのでよくわからないが、たぶん一つの定番になりつつあるのかなと思う。
要は化学調味料という、旧来のラーメンのかなめとも言えるものを使わずに、どうラーメンと言えるものに仕上げるか、ということについての挑戦の、一つの解なのじゃないかという気がする。
満得もやはり、魚介だしこそ使っていないが、白濁した豚骨スープに香味油だしな。
この店はそれを土台に、徹底的に手をかけてクリーミーに仕上げたスープと、コシのある太い麺が特徴で、それを無理せず、11時から16時(スープがなくなり次第閉店)という営業時間が示すように、店のキャパで可能な範囲に限定して丁寧に作るという良心的な姿勢が、人気の秘密なのだろうな。
ラーメン屋は閉店したって、その後長い時間をかけて仕込みをしないといけないから、大変な労力、よっぽど好きじゃないとできないことだよな。

ここの店主、自らを「オヤヂ」と称しているらしいが、ラーメンを作っている間は、厳しい顔付きで作業し、調理場全体の作業を睨み付けているのだが、お客にラーメンを出す時や、「ありがとうございました」の時は、たぶん客商売、努力しているんだろう、作り笑顔かなと思うようなにこやかな顔になって、そのメリハリが好感が持てる。
ホームページもあるのだが、なんとも素朴、商売気なし、たぶんオヤヂさんが自分で、空いた時間にチマチマ打ち込んだのだろう、手作業が好き、ラーメンが好き、いい人なんだろうな、という人柄がにじみ出ている。

こういう店がきちんと評価され、人気を博すというのは、世の中まさにそうあるべき、いいことだと思う。
これからも元気で頑張ってほしいな。

らーめん 弥七 (ラーメン / 中津、中崎町、梅田)
★★★★ 4.0