2009-04-28

横川町 「廣島醤油豚骨 長谷川商店」(2回め)

に来た時は、この店、夜のラーメン屋なのに、車で来てしまったために、ビールの一杯も飲まずにラーメンだけを食べてしまったのだ。
しかしそれではやはりいけない、やはり夜のラーメン屋として正しい使い方をしてみなくてはいけないと、今回はちょっとしたものをつまんでビールを飲み、それからラーメンを食べようと思って、再びやって来たのだった。

生はなく、瓶ビール。
セルフで、自分で持ってくるようになっている。
店主が一人でやってるからな。

ギョーザ、380円。
メニューにおでんとあったので、それを食べようと思ったら、もう季節が終わってしまったそうだ。
よくある、普通のギョーザ。
でも火加減か焼き時間を間違えてしまったのかな、やけに焦げていた。
まあいいのだが。

早めの時間に行ったので、しばらく客は僕一人、おかげで店主と色々話せて楽しかった。
まだ若く30代前半だが、この店のほかに3軒の居酒屋を経営しているそうだ。
そちらはもう7年もやっているので、電話連絡程度でやっていけるとのこと、それで自分は空いた時間で、前からやりたいと思っていたラーメン屋を始めることにしたのだそうだ。
前に2年ほど、近くでやはりラーメン屋をやっていたそうだが、そちらは場所が狭くて、寸胴を一台しか置けず、しかも仕込んでいると暑くて、さすがに無理とあきらめ、いい場所が出るのを待っていたのだそうだ。
二十歳の時からチェーン店のラーメン屋で働き、でもそれがそのうち安売り競争みたいなことになって、スープを自分で仕込まず、どこかの業者から買ってきたものを湯に入れて混ぜる、ということをするようになり、つまらなくなって辞めたそうだ。
もうすべて潰れてしまったそうだが。
広島ラーメンのニューウェーブ、みたいな感じで、何軒も店ができて、一時はけっこう盛り上がったのだそうだ。
そんな時代があったんだな。

豚骨スープに極太麺というのが、自分がやりたいラーメンなのだが、どうしてもお客の好き嫌いが分かれてしまうので、こちらに新しい店を出すにあたって、多少不本意だが妥協して、鶏がらだしの醤油ラーメンや、細麺も取り入れたのだとのこと。
ちなみに極太の平打ち麺は、製麺所のラインナップにあるものではなく、特注しているのだそうだ。

ということで、今日は豚骨ではなく、醤油ラーメンを食べてみようと思っていたのだが、予定を変更、もう一度太麺の豚骨ラーメンを頼んだ。
600円。

麺の写真撮れば良かったな、忘れた。

このラーメン、前回よりおいしかった。
味にぶれがあるのか、それとも正しくビールを飲んだのでおいしく感じたのか、わからないのだが。
豚骨だしのストレート、他にあまり余分なものが入っていないスープだが、前回はひと味足りないと感じたのだが、今回はあまりそういう風には思わず、十分なコクがあった。
人間の舌って、あてにならないな。
ていうか、僕の舌。

豚骨のストレート勝負と言えば、もう閉店してしまったが、あ味がそうだったと思うのだが、僕はこちらのほうがおいしい。
あ味はちょっと臭みがあって、それがどうも引っかかる所だったんだよな。
こちらはかなりこってりしているが、臭みは全くなし。
醤油味もあまり濃いことなく、それで臭みがないというのは大したものだな。

このこってりした豚骨スープに、極太の麺はよく合うと思う。
そして特筆すべきなのはチャーシュー。
ばら肉を使っているが、ぷりぷりとした、しっかりした歯ごたえがあって、味も、あれどうやって付けるんだろう、薄くも濃くもなく、ほんとに丁度いい。
説明になってないが。
ただ煮るのじゃなく、ちょっと炙ったりしてるのかな。
ハムみたいな感じの食感がするのだ。
半熟玉子も嬉しい。

ちなみにかかっているBGMだが、前に店主が厳選してかけていると書いたのだが、改めてよく聞いたら、あまり考えずに適当に買ってきたものを、そのままかけているのだそうだ。
こだわりがないんだな、要は。
こだわるべき所には徹底的にこだわるが、それ以外のどうでも良いことには、柔軟に対応するというのは、ああいう店をやる場合、大事なことだろうからな。
この店主、まだ若いが、大したものだな、けっこう。

広島醤油豚骨 長谷川商店 (ラーメン / 横川一丁目、横川駅、横川)
★★★★ 4.0