2009-04-12

横川町 「尾道ラーメン 味億」

随分前から気になっていたこの店、行こうか行くまいか迷って、その度後回しになっていたのだ。
理由は僕が未だ、尾道ラーメンというものが自分の中で、きちんと位置付けできていないからなのだな。
大体僕は、尾道のラーメン店で一番の有名店である朱華園のうまさが、まだよくわからないのだ。
竹原の太華園という、朱華園と似たようなラーメンを出す店に行って、少しわかったような気がしたのだが、いずれにせよ朱華園には再度行かねばならぬと思いながらも、なかなか叶わず、なのでご本尊をきちんと拝まずしてそれ以外の店に行くのは、あまり気が進まなかったのだ。

と言いつつも訪れたこの「味億(あじおく)」、しかしかなりうまかった。
僕が今まで食べた尾道ラーメンの中では、ここが一番うまかったかも。

何がうまいかと言えば、このスープ、醤油がかなり強く利いているのだが、醤油に加え、たぶん味醂が少し入っていて、僅かに甘みがあり、ラーメンの汁と言えば塩っぱいものの代表のようだが、このスープはちょっと関東のうどんのだしを思い出すような、僕が関東出身だからだろうか、爽やかな甘辛さ、ツボをぐっさり突かれる味なのだ。
味が濃いのでだしは何だかよくわからず、朱華園は確か魚介だしは使っていないので、こちらもそうなのかなと思ったら、後で聞いたら魚介だしも入っているとのこと。
成程、このラーメン、元々中国人が編み出した、どちらかと言うと中国スタイルの朱華園のラーメンに、魚介だしを加え、味醂を加え、日本人好みの味に作り変えたものなのだな。
これが尾道ラーメンの標準的なスタイルなのか、それともこの店独自のものなのか、少なくとも僕がこれまで食べたいくつかの尾道ラーメンには、これと似た味はなかったが、ちゃんとしたことはわからない。
いずれにしてもこのラーメンはうまかった。

ただ一点、僕がいつも思うのは、尾道ラーメンのこの麺、カップヌードルの麺とそっくりなのだ。
いやもちろん、正確に言えば、カップヌードルの麺が、この尾道ラーメンの麺に似ていると言うべきなのだろうが、それにしても、尾道ラーメンを食べていると、長年食べ慣れたカップヌードルを思い出し、どうも興醒めしてしまうのだ。
これは尾道ラーメンには罪はないことだが、なんとかしてほしい。
なんともならないが。

味億 (ラーメン / 横川一丁目、別院前、横川駅)
★★★★ 4.0