2008-12-11

広島紙屋町 ラーメン 「麺皇」


昨日広島の繁華街である紙屋町でラーメンを食べて、食べ終わって近くをぶらぶらしていたらこの店を見つけたのである。
最近できたらしいのだが、「広島ラーメン」と「呉冷麺」と書いてある。
僕は広島のラーメン店が「広島ラーメン」という言葉を使っているのを初めて見た。
これはかなり画期的なことなのではないだろうか。

広島には終戦後すぐに沖稔(おきみのる)という人によって編み出された と言われる独特のラーメンがあって、スープは醤油豚骨、麺は中細、具はチャーシューと細もやしと青ネギのみ、というものなのだが、「陽気 」「すずめ 」「しまい 」がそれを直接受け継いでいるのを初めとして、広島市内の多数の店がそのようなラーメンを出す。
これが僕は大変うまいと思うのだが、広島の人たちはこれを市外、県外にアピールしようとは全くしないのだ。

だいたいまず「広島ラーメン」という言葉が、「広島で発生、継承されているラーメン」という概念をさすものとしては存在しても、実際にラーメン店で使われることがない。
広島では「広島ラーメン」は「中華そば」と言われるのだ。
広島駅の駅ビルにも同じ広島県の尾道ラーメンの店はあっても、広島ラーメンの店はない。
広島の人の広島ラーメンに対する反応を見聞きするに、「こんなラーメンは全国どこに行ってもある普通のラーメンであって、大したものではない」と思っている節がある。
しかし僕は広島に来て、陽気で初めて広島ラーメンを食べたとき、「こんなにおいしいラーメンは初めて食べた」という位おいしかった。
全国にこれだけご当地ラーメンが林立しているのだから、広島ラーメンにしたってその気になればきちんとブランドを確立させることができると思うのだ。

前からそのように思っていたものだから、繁華街のど真ん中にあるこの店が「広島ラーメン」を標榜し、「なつかしの広島ラーメン」


という看板を出しているのを見て、これは来てみなければいけないと思ったわけなのだ。


広島ラーメン大盛り、750円。
(普通盛りは650円)

これは結構おいしかった。
スープはもちろん醤油豚骨、広島ラーメンは豚骨をベースにしながらも他にかなり色んなものを入れるようで、何ともいえない複雑なコクがするのだが、その味がちゃんとする。
麺はゆで加減がちょっとやわらかいかなと思ったのと、陽気やすずめが使っているようなもうちょっとモソモソとした麺を使ったら良いのにと思わなくもなかったが、まあ悪くはない。
チャーシューはトロトロ。
これは時代に合わせて新しいな。
細もやしに青ネギ、これは定番。
それにメンマが入っていたのだが、広島ラーメンには普通メンマは入らない。
これはどのような狙いがあったのか、ちょっと分からなかった。

ちなみに大盛りはかなりの量で、セットも頼んだので普通盛にしておけば良かったと後悔した。
もちろんきちんと全部食べたが。

セットは、


ギョウザと白めしのセット、200円。
他にから揚げとか春巻きのセットが同じように200円だった。
焼豚丼のセットもあった、やはり200円。

このギョウザ、揚げギョウザで変わっているのと、具もそこそこほっくりして、悪くなかった。

あとこの店は、ゆで卵が無料で食べ放題になっている。


3個出てくるのだが、僕は2個食べた。

ただ一つ残念なのは、この店が広島ラーメン一本ではなく、呉冷麺と二本立てだということ。
広島ラーメン一本では成り立たないのかな。
観光客も多い場所なので、きちんと売り込めば大丈夫じゃないかとも思うのだけど。
まあでも呉冷麺もおいしそうだったので、今度食べてみたいと思う。

接客や店の雰囲気も全体としてけっこう良かった。
ビールや焼酎とちょっとした一品料理で、夜はお酒も飲めるようになっている。

広島ラーメン 呉冷麺 麺皇 紙屋町店 (ラーメン / 紙屋町)
★★★★ 4.0