2008-11-04

広島地蔵通り 魚料理 「小出家」


出張して山陰や福岡で魚料理を食べるのに、まだ広島では魚料理、食べていなかったのだ。
これはいけないとネットで探して、とりあえず行ってみたのがここ。
何となくアクが強そうな感じがしたので選んだのだ。
僕は何事につけてもアクが強いのが好きなのだ。
あでもやっぱり強すぎるのはダメかも。

地蔵通りにあるばくだん屋本店の2階。
入り口は全く愛想がなく、普通の人は入らないな。
でもだから逆に本当の隠れ家的な店になっているらしく、テレビ局が芸能人をよく連れてくるらしい。
吉田拓郎も奥田民夫も吉川晃司も来たことがあるって言ってた。
あ、この人たち僕の好きなボーカリストなんだけど。
あと好きなのは矢沢永吉と佐野元春とサザンオールスターズ。
偶然なのだが僕の好きな男性ボーカリストは、6人中4人が広島出身なのだ。
関係ないけど。
あとの3人はこの店には来たことないって言ってた。
あと来たのは浜崎あゆみ。

ところがこの店、色紙とか一枚も飾っていないのである。
サインとか芸能人なんかにしてもらわないのだそうだ。
岡本綾子が来たことがあって、その時は世界の岡本だからサインをお願いしたら断わられたのだそうだ。
笑える。
だいたい芸能人だからといってナンボのものでもないわけで、そんなことどうとも思わないのだそうだ。
うーん、芸能人の色紙ってよく色んな店に飾ってあって、それって集客にはけっこう威力を発揮するものなのだと思うけど、それにまったく動じないというのは大したものだ。

連休明けの平日、早めの時間に行ったので、まだ他にお客さんがいなくて色々話してくれた。
もう店は始めて18年になるそうで、でもそろそろこういう料理を作るのも飽きてきて、何か路線の違うものを作りたいとも思い始めているとのこと。
魚なら魚、ほうれん草ならほうれん草、そういう素材の味がきちんとまっすぐ出た料理を作りたいのだそうだ。
今は色んなものをごてごて合わせて出来合いの調味料をかけて出す店が多くて、そんなのはつまらない。
そうだそうだ。
自分の畑も持っていて、昨日はブルーベリーの苗を植えたのだそうだ。
ブルーベリー、収穫したら店で出すのかと聞いたら、いやそれはジャムにしたりして自分で使うのだそうだ。
料理がほんとに好きなんだな。

という訳でこの店の料理、お通しは鰯の甘露煮。
撮影忘れ。

小いわしが広島の名物だと聞いていたので、それが食べられるか聞いたら、もうシーズンが終わったとのこと。
小いわしは8月までだそうだ。
食べ逃しちゃったな。
カキが出始めているそうだが、最近のカキは当たることが多いので生はやめたほうがいいとのこと。
フライと焼いたのとあるというから、焼いたのをもらった。


カキのたたき。
カキをあぶってもみじおろしとポン酢で和えたようなやつ。
初めて食べたが大変おいしい。

あと瀬戸内海の魚では鯛がおいしいそうだ。
その天然物の鯛と、これは五島列島産だそうだがサバのしめたの。


しょうがかと思ったら、洋わさび、ホースラディッシュを使っているのだ。
鯛はこりこりしていて、さばは微妙に強めにしめていて、しめ加減が僕の好みだ。

それから八王子の豆腐屋から取り寄せるそうだが油揚げをあぶったもの。


しょう油をちょこっとつけて食べる。

しめはたたみいわしのお茶漬け。


上に梅干、下にはワカメが入っている。

生ビール1杯と芋焼酎2杯を飲んで、総額約5,000円。
手頃だよね。

料理ってやっぱり、作る人の考え方を味わうものだと思うのだ。
その点この店は一つひとつの物事にはっきりとした主張が感じられて、とても楽しい。
また来よう。

広島市中区富士見町6-13
082-246-7009