広島風お好み焼き。ほんとに不思議な食べ物だ。
簡単そうで、難しい。難しそうで、簡単。
都市部のお好み焼きは、おいしいものとそうでないものが、はっきり分かれる。
あんな簡単そうなものなのに、はっきり違うのだ。
しかし焼き物、炒め物は、スープものにくらべて、微妙な火加減や味付けの加減が、水がない分、味を大きく左右するだろう。また商売のために個数を作らなければいけないということと、おいしく作るためには時間がかかるということの間のバランスも難しい。
地域のお好み焼きも、おいしい所とまずい所が分かれるが、都市部の基準とはまた全く違う。
値段をいくらに設定するのか。都市部は700円から800円。地域は550円から650円。安い所は頑張ってくれてるな、と思う。
しかしもちろん値段だけではない。
ネギをどさっと載せてくれるとか、ご飯と味噌汁をつけてくれるとか、唐辛子やこしょうなど、調味料を並べてくれるとか、それだけで嬉しさが違う。また来ようと思う。そういうとき、実際おいしく感じる。
ミスター・チルドレンの歌で、ほんとに好きな一節があって、
愛情っていう形のないもの、伝えるのはいつも困難だね・・・。
広島風お好み焼きのうまさ、まずさというものは、極言すれば、まさにそれに尽きるのだと思う。