昨日のおっさんひとり飯は・・・。
イワシの炊き込みご飯。
昨日は炊き込みご飯が作りたくて、もう買い物へ行く前の時点で早々と、
イワシの炊き込みご飯を作ることに決めていた。
炊き込みご飯を作るのは、面白い。
麺やイモなど、炭水化物を料理にからめると、おかずだけ作る時より
素材の組み合わせの数が豊富になるから、その分面白くなると思うのだけれど、
その炭水化物として「お米」を持ってくると、面白さはさらに倍増するように思う。
米が入ることで、炊き込みご飯はそれだけで、おかずと主食を兼ねそなえた
完全食になるわけだから、炊き込みご飯を考えることは、
「食事の献立」を考えるのと同じような意味合いを持つことになり、
ただおかずの作り方を考えるのとは、考える次元が違ってくることになる。
おそらくこのことが、炊き込みご飯を考える時のワクワク感を増やし、
作ろうとする料理に対する期待度を高めるのではないかという気がする。
また米は、それ以外のものとは違う、独特の甘みを持っている。
だから炊き込みご飯は味付けも、ゴテゴテと出しなどを使う必要がなく、
シンプルに作れば十分おいしくなるのもいい。
まあそんな理屈はどうでもいい事なのだが、昨日も何か、
魚を使った炊き込みご飯が作りたかった。
四条大宮「酒房京子」で食べたサバ缶の炊き込みご飯が美味しかったので、
それに似たものが作りたいと思ったが、今は缶詰など使わなくても、
旬のイワシが山のように売っている。
これをサッと塩ゆでして入れれば、臭みも出ずに美味しいだろうと考えた。
しかしイワシの炊き込みご飯など聞いたことがなかったから、
ほんとうに大丈夫かどうか、念のため魚屋で聞いてみた。
すると若大将は、
「ぼくはまだ食べたことはありませんが、こないだテレビで、
ぶつ切りにしたイワシをそのまま鍋に入れるというのをやってましたよ・・・」
またおばちゃんは、
「ああ、イワシを塩ゆでして入れれば、おいしいと思うわ・・・」
これはイケそうである。
一緒に入れる具は、油揚げとゴボウの基本セットはもちろんとして、
やはり臭み抜きに、ショウガをたっぷり刻み込むことにする。
それからさらに食べる時、やはりたっぷりのミョウガと大葉を混ぜ込むことにする。
これは何とも美味しそうではないか・・・。
ここまで考えてしまえば、あと作るのには、大した手間はかからない。
イワシ200グラムは包丁で頭を落として腹を裂き、ワタをかき出してよく洗い、
食べやすい大きさのぶつ切りにして2~3分塩ゆでし、ゆで湯は捨ててサッと洗う。
鍋に出しコブを敷き、砥いで10分ほどザルに上げておいた米1カップ、
ささがきにして水にさらしたゴボウ、刻んだ油あげ、たっぷりの千切りショウガ、
それにゆでたイワシを入れ、水1カップ、酒とみりん、うすくち醤油を大さじ1、
砂糖小さじ1、塩小さじ1/2を加える。
フタをして中火にかけ、湯気が勢いよく出てきたら弱火に落として10分炊く。
土鍋の場合はそこで火を落として10分蒸らし、金属製の鍋の場合は
消える寸前の弱い火にして5分蒸らし、さらに火を止め5分蒸らす。
フタを開けると、イワシとショウガのいい香りがする。
臭みなどは全くない。
茶碗によそい、細く刻んだミョウガと大葉をタップリと混ぜ込み、
指で捻りつぶしたゴマをふる。
ほっくりとしたイワシと爽やかな風味の薬味が、味のしみたご飯と絡みあい、
非常にうまい。
イワシの骨は出してもいいが、柔らかいから、そのまま食べても問題ない。
今日の朝めしには、いつもの如く、これに氷水を入れ、
お茶漬けのように掻き込んだ。
これがまた、最高にうまいという話である。
昨日は漬けている梅干しに、赤じそを混ぜ込んだ。
赤じそは大原の物で、さすがしば漬けの産地、大原の赤じそは
他のとは味が違うのだそうだ。
といって値段が高い訳ではなく、これだけの量があって、200円。
いつも行く三条会商店街の八百屋「玉弁」は、地元農家からの
直接買い付けをしていて、それでこういう値段になるのではないかと思う。
ところがこれを、あれやこれやで時間がなく、2週間以上
冷蔵庫に入れっ放しにしてしまい、葉がちょっとしなびてしまった。
でも水に浸けたらそこそこ元に戻ったから、
なんとかギリギリセーフだったのだと思う。
塩で揉んでよくアク出しをして、漬けている梅干しに入れる。
今朝見たら、もう梅酢は赤く染まっていた。
昨日の段階で、梅を一つ食べてみた。
まだ若い、フルーティーな味がする。
梅干しを漬ける事など初めてだから、これからどうなっていくのか楽しみだ。
塩の濃度は檀一雄に習って30%にしたから、かなり塩っぱくなると思うが、
ぼくは梅干しをほとんど料理に使うから、塩加減を減らせば済むというだけの話だ。
「ぼくもたくさん食べてあげるからね。」
おお、頼んだぞ。