2013-02-09

旬の終わりを飾るならこれ。
「ブリ大根」


こんにちは。ご訪問いただきありがとうございます。

このブログは50歳バツイチ独身一人暮らしのおっさん高野が、日々の自作料理を中心とし、一人暮らし生活のあれこれを脈絡もなく書き綴っているものです。
「訳がわからん」とお思いになると思いますが、楽しんでいただけましたら幸いです。



昨日の晩酌は・・・。



ブリ大根。



ブリの旬の終わりを飾るのは、やはりブリ大根。

ブリ大根にしても、若竹煮にしても、同じ季節に旬になる海産物と野菜を組み合わせたものなんですよね。
同じ季節に旬になるものは、組み合わせると相性がいいのだそうです。

ブリも大根も、今では年中買えるから、ブリ大根もいつでも作れるわけだけど、やはり一番おいしいのは冬の季節ということになる。



ブリ大根は、やはりあらを使うのがうまい。
あらは脂が乗っているから、切り身とちがって煮てもパサつくことがありません。

それからしょうゆを初めから入れてしまわないことも大きなポイント。
しょうゆを先に入れてしまうと、甘みが入らず、塩辛くなってしまいます。



ブリあらは塩をふり、30分でも一晩でも置いたあと、湯通しして水で洗い、ヌメリや血の塊を落とす。


多少面倒といえば面倒なんですが、こうしておけば臭みが出ることはありません。



大根は、ふつうの大根でもちろん問題ないけれど、昨日は聖護院大根。


錦市場などでは高い聖護院大根も、京都三条会商店街の八百屋「玉弁」で買うと、130円で買える。
聖護院大根は煮こむとくったりと柔らかくなるのに、煮崩れしないのが特徴なのだとか。
(ちなみに玉弁は、配送も承っています。)

大根は皮をむかずに、2センチ厚さくらいに切り揃えます。
好みはあると思うけれど、大根の皮には独特の味があり、大根を皮をつけたまま煮込むとまたうまい。



鍋にまず大根、その上に湯通ししたブリあらを入れ、酒1カップ、みりん1/2カップ、砂糖大さじ5~6、それに材料がかぶるくらいの水を入れる。




強火にかけ、煮立ったら中火にし、ていねいにアクをとって落としブタをし、20分くらい煮る。



大根が竹串がすっと刺さるくらい柔らかくなったら、しょうゆ1/4カップを入れ、さらに15分。


15分たったら再びしょうゆ1/4カップを入れ、さらに15分煮る。
最後は火を強め、煮汁が1/3くらいになるまで煮詰める。



いややはり、旬のブリは脂が乗ってさすがっす。


聖護院大根も柔らかいこと。



あとは菜の花の吸い物。


だしに酒、うすくちしょうゆと塩で吸い物の味をつけ、油揚げをちょっと煮たら、しめじと菜の花をサッと煮る。
柚子の皮を一片のせると、何とも上品な味になる。






昨日は晩酌を終え、京都四条大宮のバー「スピナーズ」へ。


昨日もよくお客さんが入っていたから、初めはスタンドテーブルで一人で立ち飲みしていたけれど、そのうち九十九一似の男性、桐島かれん似の女性がいるテーブルへ同席した。

九十九一と桐島かれんのカップルは、今や黄金の安定感をかもし出している。
二人ともいかにも幸せそうで、傍で見ている者まで幸せな気持ちになる。



九十九一とあれこれ話していたら、ぼくの横に男性が来た。
年の頃は40くらい、森田健作に似ているさわやかな出で立ち。

聞くとぼくのブログを見て、この店へ来てくれたのだそうだ。
飲み友達数人も同伴している。



森田健作はぼくのブログを長く見ていて、ぼくと色々話したいらしい。
あまり酔っ払い過ぎないようにと思ってビールを飲んでいたぼくは、なかなかエンジンがかからなかったのだけれど、森田健作が、

「若い人に説教とかされるんですか。ぼくも説教されたいです」

などと言うものだから、そのうちスイッチがガチャっと入った。



森田健作は、会社帰りに仲間と飲んだあと、キャバクラへ行ったりするそうだ。
それで月に2~3万円は使っている。

ぼくは、

「そんなのはやめて、恋愛をしろ」

と言う。

「キャバクラへ行くのをやめることで、君の人生は変わる。」

説教が始まった。



たしかにキャバクラへ行けば、手軽に恋愛気分を味わうことができる。
ぼくも以前はスナックやキャバクラ通いをし、それはよく知っているけれど、キャバクラでの恋愛は、あくまで擬似恋愛にすぎない。

もちろんキャバクラの女の子を自分の彼女にすることもできないことはないけれど、それには莫大なお金がかかる。

擬似恋愛は手軽だけれど、実は擬似恋愛がお金で解決する部分にこそ、恋愛のキモがある。
だからキャバクラ通いを続けていると、本当の恋愛ができなくなってしまう。



「会社には独身女性はいないのか。」

ぼくはちょっと不思議になって尋ねてみた。
会社は昔は、結婚相手を見つけるための場所だった。

「小さな会社なので数人ですが、30代の独身女性もいるにはいます。ただ女性も働いて自立しているから結婚する気はないみたいだし、ぼくも結婚は、色んなリスクを考えるとあまりしたいと思えないんです。」

森田健作は答える。



なるほど、時代は変わっているというわけだ。

会社は以前は、終身雇用と年功序列で、日本では一種の生活共同体になっていた。
飲食から結婚まで、すべてが会社で完結していた。

しかし今やそれは崩れ、会社はお金を稼ぐための場所に過ぎなくなっているということなのだろう。



「それなら君は、キャバクラではなくバーへ行け。」

ぼくの説教はヒートアップする。

バーは男女が出会いを見つけるための場所だ。
ぼくも前の彼女は、バーで出会った。

キャバクラに月3万円を使うなら、その分バーに使えば10回は行ける。

「バーはママでなく、マスターがやっている店に行くのがポイントだ。そこでマスターや男のお客さんとまず関係を作って居場所を見つけ、その上でそこに通い続けると出会いがある。」

ぼくの恋愛指南は延々とつづいた。



ひとしきりしゃべり倒して、気が済んだぼくは、帰って寝ることにした。
すると森田健作は、ぼくの酒代を出すという。

何度か固辞したけれど、「ぜひとも」と言うものだから、ありがたく奢ってもらうことにした。

ぼくは森田健作をあとに残して、気分よく店を出た。



「きっとほんとは迷惑だったと思うよ。」


調子に乗らないようにしなくちゃな。