2012-08-10

スルメイカ

今日の晩酌は・・・。
イカゲソの塩辛と、ゆでイカのショウガじょうゆ。



人間が、ものを「食う」ために費やす労力は、相当なものだと思うんですね。
だいたいはまず、仕事というものが、根本には食うためにある。
もちろん仕事は、食うためだけのものではないですが、一生食うに困らないだけのお金があれば、もう仕事などする必要がないですもんね。



そして消費者としての立場だけを考えても、まず何をどう食べるかを考え、買い物へ行き、実際に料理する。
これを毎日やり続けないといけない。
さらにその手前に生産者の人たちは、野菜や動物を育て、魚を獲り、それを加工して出荷し、お店の人たちがそれを売るという膨大な作業を行なっている。



人間が自分の胃袋を満たすためにそれだけのことをすることが、何の意味があるのかを考えると、それはもちろん、人間が生き残るためなわけで、それでは何のために人間は生きるのかと問えば、そこにはどうも、答えがない。
人間は一度生まれてしまったら、死ぬまでは生きないといけないことになっているんですよね。
生きるというのが、やらなければ仕方のないことなのであれば、どうせなら自分が納得ができる生き方がしたいと、誰でもが思うことでしょうけれど、僕なども思います。



まあそういうわけで、今晩何を食べるかについては、かなりの時間をかけて考えることとなってしまう。
べつに大したものを作りたいと思うわけではないんですが、納得できるものをと思うと、考え付くのにどうしても、30分や1時間くらいは軽くかかってしまう。
しかもそれが、買い物へ行ってコロコロと変わることも、少なくないんですね。



昨日も行きつけのカフェでブログを更新し、そのあと晩飯に何を食べようかを考える。
そうするとそれがなかなか思い付かず、1時間くらいかけた末、豚肉を大根やニンジンと、みそ味で煮込もうと思ってカフェを出る。
でも商店街へ行ったら、今日はやはり、魚屋で何か買わないとなと思いなおす。
魚屋には、今日なら新鮮なイカがあるだろうと考え、それをジャガイモと一緒にトマト味で煮込もうと考えて、魚屋へ行く。



魚屋へ行ったら、予想通り新鮮なスルメイカが200円で売っていた。
女将さんに、スルメイカの食べ方を聞いてみると、

「夏らしく、さっとゆでてショウガじょうゆ。おいしいよ」

とのこと。
「それにしよう」と心が決まり、ゲソは塩辛にすることにした次第。



長い前置きですいません。






スルメイカのことについては、ここで何度となく書いていますが、新鮮なものが手に入れば、ゲソはワタといっしょに塩辛にし、胴は何かべつに料理するというのが、イカを無駄なく味わうために、1つの効率のよいやり方だと思います。
スルメイカは、色がまっ茶色のものが新鮮です。



まずは胴に指をいれ、中身とくっついている部分を指が届く範囲ではずしたら、ぐっと力をいれて中身を引きぬく・・・。




塩辛を作るには、ワタの袋にタテに包丁をいれ、器にワタをしごき出す。




小さじ2分の1くらいの塩をふり込み、洗ってよく水気をふき取り、ぶつ切りにしたゲソを漬け込む・・・。
塩辛はほんとうは、2~3日熟成させて作りますけど、2~3時間漬け込んだだけで、十分おいしいのができます。



食べる直前に、酒とみりん、それにポン酢果汁をひとたらしして混ぜる・・・。







ゆでイカのショウガじょうゆ。



イカの胴を、タテに入っている軟骨を引き抜いたら水でよく洗い、5ミリ幅くらいの輪切りにする。
鍋に湯を沸かし、イカをいれ、すぐにイカがピンク色になってくるから、そしたら再沸騰をまたずに引き上げる。



ショウガをのせ、しょうゆをかけて食べる・・・。







いただきます!



イカの塩辛・・・。
即席の作り方でも、下手に店で売っているものより断然おいしい。



イカのショウガじょうゆ・・・。
半生の、お造り感覚。






キュウリの浅漬も作った・・・。
漬物器に昆布をしき、大きめに切ったキュウリに塩をふって漬け込むだけだけど、これも売ってるものより全然おいしい。