2012-08-21

イカわたとジャガイモ炒めバターじょうゆ

きょうの晩酌。







檀一雄が著書で「イカのスペイン風」として紹介するスペイン料理「プルピートス」は、とても簡単にできながら死ぬかとおもうくらいうまく、檀一雄のレシピのなかでも名作中の名作だとおもうのだけれど、和食の晩酌メニューにならべようとおもうと2つの欠点がある。
まず第一にオリーブオイルとニンニク、鷹の爪をたっぷり入れるから、他の和食料理の微妙な味わいを完全に吹き飛ばしてしまうことになる。
だからプルピートスを食べるときにはどうしても、ワインにパンのスペイン風の食卓に献立自体を変える必要がある。
僕はこれまでプルピートスを和食メニューに合うように色々試してみたけれど、一番いいのはバターじょうゆ。
イカわたの濃厚な味とバターじょうゆはとてもよく合う。






それからプルピートスはイカわたとオリーブオイルが絡みあった激ウマのタレが皿の底にたまり、これをスペイン人はパンにつけながら食べるそうなのだけれど、パンもご飯もない和食晩酌メニューではそれができない。
そこで今回このタレを担当させるためにジャガイモを入れることにした。
ジャガイモはバターじょうゆの味にもよく合う。
ついでにジャガイモに合いそうなものとしてピーマンを入れようと思ったけれど、八百屋に青とうがらしが安く売っていたからそちらを入れることにした。






イカはスルメイカ。わたを使うためにはお店にその日に入荷した、鮮度のいいものを買う必要がある。
胴にタテに入っている軟骨と足の根元にあるクチバシだけを取り、あとはわたもろともブツ切りにしていく。
酒とおろしたショウガ少々、塩軽くひとつまみをもみ込み15分ほど置いておく。






フライパンを強火で熱してサラダ油少々を入れたら、細めに切った青とうがらしをサッと炒める。
イカのわたを抜かないのだから、青とうがらしのわたも抜かない。






火の通った青とうがらしを一旦取り出し、今度は細く切って少し水にさらしたジャガイモを、やはりサラダ油少々を入れて炒める。
ジャガイモは、透き通ってくるまで火を通す。






ジャガイモに火が通ったらバター大さじ2ほどを入れ、バターが溶けてジャガイモになじんだら、漬け込んでおいたイカを入れる。
強火で火を通し、イカが赤くなってきたら、しょうゆを大さじ2ほど。
青とうがらしを戻し入れ、全体を混ぜ合わせたら、最後にポッカレモン100を大さじ1ほど入れて出来あがり。






イカわたとジャガイモ炒めバターじょうゆ。







ジャガイモは予想通り、イカわたのうまみが凝縮したタレをしっかり絡み付けてくれている。







「チェブ夫」と命名。
「レモン汁を入れるとイカわたの生臭みが完全に消えるんだね」
そう。それがポイントなんだ。






アジの干物とオクラの冷奴。
焼いてほぐしたアジの干物とサッとゆで小口に切ったオクラを混ぜて冷奴の上にのせ、おろしショウガをちょっと添えてポン酢しょうゆをかける。






酒は焼酎水割り。







秋は転勤シーズンだから、転勤を機に一人暮らしを始めることになり、自炊もしてみようかとおもっている人もいるとおもう。
自炊するには調理器具を色々買いそろえないといけないけれど、物は一度買ってしまうとそう簡単に捨てるわけにもいかないから、下手なものを買ってしまうとただでさえ狭いワンルームマンションのキッチンがますます狭くなる。
調理器具は初めは必要最低限のものだけを買い、あとは必要に応じて買い足していくのがいいとおもう。






まずあったらいいとおもうものは、フライパン。
それも「ディープパン」と呼ばれるちょっと深めのものが使いやすい。一人暮らしなら小さめの26センチのもので十分。
焼いたり炒めたりはもちろん、煮物や蒸し物、さらには鍋も、これだけあれば十分こなせる。
フライパンを買うときは、かならず一緒にフタも買うようにする。






それから18センチの片手鍋。
ゆでたり煮たり、何かと重宝する。
レンジにグリルが付いていなければ、魚を焼く網も買ったらいい。
あとは包丁、まな板、菜箸、おたま、フライ返しにアク取り網。大根おろし器もあるといい。






意外にいらないものがヤカン。
お湯は鍋で十分沸かせる。
それからザルとボウル。
ザルは使わなくても何とかなるし、ボウルもラーメンどんぶりで代用できる。






炊飯器を買うかどうかも、よくよく考える必要がある。
もし食事が晩酌メインなら、炊飯器は絶対いらない。
米は外食で食べることにして、家では冷凍うどんを食べるようにする。
冷凍うどんはお湯で溶かすだけだから簡単だし、下手なうどん屋のうどんよりうまい。






炊飯器を買わないのなら、電子レンジも絶対いらない。
解凍など電子レンジを使わなくても、水にひたせばすぐできる。