2012-07-03
檀流イワシの煮付け
今日の晩酌。
檀流イワシの煮付け、おとといの三平汁、キュウリの酢の物、ナスの塩もみ。
大好きなイワシ。
でっかくて青光りしたのが、5匹で128円。
思わず衝動買い。
これを「檀流」に煮付ける。
檀流イワシの煮付けは、「お茶」をいれるのが特徴。
フライパンにショウガのうす切り1かけ分、梅干し2~3個をていねいにそぎ切りしたの、出し昆布、緑茶カップ1、酒カップ4分の1、うすくちしょうゆ大さじ2を中火で煮立て、洗ったイワシを丸のままいれる。
途中で煮汁が足りなくなったら、緑茶を足しながら、落としブタをして10分煮、ひっくり返して10分煮る。
「緑茶をいれるってどうよ」と思うかもしれないけれど、すごくうまい。
ちょうど「梅昆布茶」の味。
キュウリは酢の物。
キュウリとわかめ、みょうが、ちりめんじゃこを、三杯酢で和える。
ちりめんじゃこは、はじめ入れるのを忘れたけれど、やはり入れたほうがうまい。
ナスは塩もみ。
何もかけなくてもおいしい夏のナスはほんとにエライ。
ラブ。
酒は焼酎水割り。
今日も3杯。
今日は林檎ママのカフェバーが、2周年を記念して立食のパーティーをすることになっていると、僕は昨日、林檎ママに聞いていた。
まだ林檎ママの店には2回しか行ったことがない僕だが、林檎ママに「僕もパーティーに参加してもいいんですか」ときいたら、
「どうぞ・・・」
と嫌そうでもなく答えてくれた。
パーティーには、常連さんもたくさん来るのだろう。
「かわいいオネエちゃんとの出会いもあるかも・・・」
僕は考えた。
でも周年のパーティーでは、食事も酒も安く提供されるそうだから、手ぶらで行くわけには行かないだろう。
花でも買ってもって行こうか・・・。
それともワインのほうがいいのかな・・・。
僕は林檎ママに何を贈ればよろこばれるか、あれこれ頭をめぐらせた。
しかし仕事が終わらない・・・。
花屋の営業時間は過ぎ、酒屋の営業時間も過ぎ、さらに食事の支度に時間がかかり、夜の散歩に家を出たのは、林檎ママの店のラストオーダーの時間になってしまった。
「もうこの時間から、林檎ママの店へは行けない・・・」
僕は今日は、林檎ママの店はあきらめて、今夜は無難に、ホームグラウンドのバー「Kaju」へ出かけることにした。
僕がKajuへ出かける目的は、お客さんと話すことよりマスターと話すことが大きい。
マスターは僕とおない年だし、2年にわたって付き合いをさせてもらって、考え方も僕と似ていると思っている。
飲食店経営の経験も長いし、四条大宮の飲み屋のなかでも古株に属するほうだから、僕が夜の散歩であれこれの飲み屋に行くにあたって、参考になる貴重な意見が聞けることも多い。
僕はマスターに、林檎ママの店を最近見つけて、今日はプレゼントを持って出かけようかとおもったけれど、結局行けなかったことを話をした。
するとマスター、
「それは行かなくてよかったですよ」
という。
林檎ママは女性1人で店をやっているから、男性客にたいしてもちろんのこと警戒する。
まだ1度や2度しか行ったことがない僕が、ワインなど持って行ったとしたら、
「なぜこの人が、私にワインなど・・・」
といぶかしがる空気を、前面に出すだろう・・・。
さらにマスターは続ける。
「林檎ママの店に、女の子のナンパ目的で行くのは、林檎ママに嫌われることになりますよ・・・」
たしかにマスターの言うとおりだ。
僕は関東から関西へきて、関西の飲み屋では、お客さん同士が「他人」ではなく、「友達」としての付き合いをすると考えた。
でもそれは、厳密にいえば正しくないと、僕も思い始めていた。
東京の飲み屋では、お客さん同士の関係には「他人」と「友達」の2つしかなく、他人から友達へうつるためには、マスターなりバーテンなりの手助けが必要となるのにたいして、関西の飲み屋には、「他人」と「友達」のあいだに、そのどちらでもない、中間的な関係が存在すると感じる。
関西の飲み屋では、お客さんがすべて、その中間的な関係での付き合いをすることになっていて、そこで関係を深めることにより、徐々に「友達」になっていく・・・。
京都の場合、その「中間」の関係での作法が高度に発達していて、それは一朝一夕に身に付けられるものではないように思える。
「これはむずかしいわ・・・」
僕は思うけれども、京都に住むことにしてしまったのだから、郷に入れば郷にしたがえ、京都流のやり方を身に付けるしかない。
僕はマスターに言った。
「自分なりに、がんばります・・・」
マスターは、「ぷっ」と吹き出した。