2012-04-14

カレーとハンバーグをいっしょに煮込む。
「煮込みハンバーグカレー」



カレーといえば、

「ハンバーグカレーだろう」

と、僕などは思ってしまうわけなんですよね。



だいたいカレーは、ご飯の上に液体がかかっていて、食べ応えがまったくない。

昔デブッチョ芸人が、「カレーは飲み物だ」と名言を吐きましたが、たしかにその気持ちは、僕にもよくわかります。

カレーのせいで、ご飯もやわらかくなってしまうから、「お粥」に近い感覚ですよね。



そこでカレーの「飲み物感覚」を払拭するための1つの案として、「カツカレー」がある。

カツカレーは、どかんとカツが乗っているから、これは食べ応えがある。

ボリューム的には申し分なく、またカツのソースとしても、カレーはなかなか悪くないから、男性は「基本はカツカレー」という人も、少くないんじゃないでしょうか。



でもカツカレーには、致命的な欠点があるんですよね。

「食べにくい・・・」



まずカレーは、原則として「スプーン」で食べることになるでしょう。

ところがスプーンでは、カツが食べられない。

そこでカツカレーの場合には、スプーンといっしょに「フォーク」も出されるわけですけれど、たかがカレーごときを食べるのに、スプーンとフォークをいちいち持ち替えなければいけないのが面倒くさい。

さらにフォークで、カツがうまく食べられるかといえば、そうでもないんですよね。



まずそもそも、ご飯の上に乗っているカツは、安定が悪いから、これをフォークで刺すのがなかなかうまくいかない。

カツを刺そうと思っても、カツの下はご飯だから、カツは沈み込んでしまうことになるわけですね。

まあしかし、何とかカツを、フォークでさせたとしても、今度はそれを口に運ぶと、幅1センチ、長さ5センチほどの大きさに切られたカツは、まず一口では口に収まらない。

そこでカツの半分くらいをかじって、残りをまたお皿に戻し、フォークをスプーンに持ち替えて、カレーを食べることになるわけです。

この半分かじられたカツが刺されたフォークが、皿に置かれている光景は、まあいわば、パンツを脱いだら、それをそのまま床の上に放置するようなもので、なんとも嫌な感じがするわけですよね。



ところがこれが、ハンバーグの場合は、そうではない。

ハンバーグはなんと、スプーンでサクッと切れるんですね。

ですからハンバーグカレーは、カレーの原則である「スプーンで食べる」ことを外れることなく、パンツを床の上に放置することもなく、最後まできれいに食べられることになるわけです。



* * * * *



ハンバーグカレーは、ふつうのカレー屋さんなどでは、ハンバーグとカレーは別に調理して、盛り付けるときに、ご飯の上にのせたハンバーグに、カレーをかけるということになるでしょう。

もちろん外食店では、ハンバーグの他にも、さまざまなトッピングをしないといけないわけだから、これは仕方がないわけですが、家でハンバーグカレーを作ろうというとき、このやり方をしてしまうのはもったいない。

ご存知のとおり、ハンバーグを焼くと、大量の肉汁が出てくるわけです。

この肉汁を利用して、ソースを作ったりすることもあるのだから、ハンバーグカレーにするのだって、これを利用しない手はないでしょう。



というわけで、今回は「煮込みハンバーグカレー」。

ハンバーグを焼いたときに出る肉汁を利用してカレーを作り、さらにハンバーグをカレーで煮込んでしまい、

「肉汁を一切無駄にしない」

という企画です。



◎ ハンバーグを作る

まずはハンバーグを作ります。

■ 材料

・牛豚の合いびき肉200g

・玉ねぎのみじん切り2分の1個分

・パン粉カップ2分の1

・卵黄1個

・塩小さじ2分の1

・コショウ少々

・サラダ油大さじ2



■ 作り方

材料をすべて器に入れ、手でよくこねます。

粘り気がでて、手にひっついてくるくらいになるまで、十分こねるのがポイントです。



こねたら、タネをまとめて、ハンバーグの形にします。

2個作るのにちょうどいい分量になっていると思います。

タネの中に空気が入らないよう、まず丸めたタネを両手でキャッチボールのように往復させながら、平たくしていきます。

またこの写真ではそうなっていませんが、ハンバーグは火を通すと、水蒸気の関係なのでしょう、中央がふくらんできますので、中央部をへこませるようにしておくと、焼き上がったとき平らになります。



サラダ油をフライパンにひき、中火にかけて、ハンバーグを焼きます。

ハンバーグはあとから煮込みますので、両面にこんがりと焼き色がつけばOKです。

焼けたハンバーグは、皿にとり出しておきます。



◎ カレーを作る

ハンバーグを焼いて、たっぷりの肉汁がフライパンの上に出ているわけです。

これを利用して、カレーを作ります。

カレーは、もちろん市販のカレールゥを使ってもかまいませんが、自分でルゥから作るのも、それほど手間がかかるわけでもありません。

ですから今回は、ルゥから作るやり方をしてみましたので、自分でルゥを作ってみたいという人は、参考にしてください。



■ 材料

・玉ねぎのみじん切りを半個分

玉ねぎのみじん切りは、ほんとうは玉ねぎ2個くらいを使い、1時間ほどトロ火でじっくり炒めると、それはそれはおいしいカレーができるわけですけれども、時間の関係上、今回は割愛。

ただもし時間がある人は、玉ねぎをじっくり炒めてみてください。

・ニンニクのみじん切りを1かけ分

・バター1かけ

・小麦粉大さじ3

・カレー粉大さじ2

・カットトマト缶2分の1(200g)

カットトマト缶をこの分量つかうと、「ちょっと酸っぱ目」のカレーになります。

これはこれで、さわやかでおいしいんですが、あまり酸っぱいカレーが好きではない人は、これを100gにしてください。

・水400cc

カットトマト缶を100gにした場合は、水を500ccにします。

・ローリエ1枚

・ジャム小さじ1

ジャムはいちごでもママレードでも、冷蔵庫にあるやつでいいです。

・ウスターソース小さじ1

・塩少々

・ニンジン2分の1本

・じゃがいも2個

・ブロッコリー1茎



■ 作り方

ハンバーグを焼いて、肉汁が残っているフライパンを弱火にかけ、バターをいれ、玉ねぎとニンニクを炒めます。

焦がさないよう気をつけながら、10分ほど、じっくり炒めます。



小麦粉とカレー粉を入れ、さらに5分ほど炒めます。

これが「ルゥ」ですね。



ここにカットトマト缶を入れ、ルゥをよく溶きのばし、さらに水を入れ、火を強めて煮立てます。



火を中火程度の加減にしながら、味をつけていきます。

ローリエ、ジャム、ウスターソース。

最後に味を見ながら、塩を入れ、味を決めます。



皿にとり出しておいたハンバーグと、適当な大きさに切ったニンジンとじゃがいもを入れ、弱火でフタをし、鍋底が焦げ付かないよう時々混ぜながら、20~30分、ジャガイモが、すっと箸が通るくらい、やわらかくなるまで煮ます。

そしたらブロッコリーを入れ、さらに5~10分ほど煮て出来あがり。



「煮込みハンバーグカレー」です。



これはハンバーグにはカレーの味がしみ、カレーにはハンバーグのうまみが出て、大変うまいです。

ルゥはこの程度の簡単なものでも、市販のものには引けをとらない味がします。



* * * * *



ちなみにハンバーグカレーは翌朝で、夜はご飯を抜いた、「カレーハンバーグ」。

酒はまずビール、それから焼酎水割りにしてみましたが、どちらもカレーによく合いました。

「カレーは酒に合わない」と思い、家で食べるのは避けていたところがあるんですが、まったくそんなことはなかったですね。

これは「ツマミ」ですから、スプーンは使わずあくまで「箸」で、具でカレーソースをぬぐい取るようにしながら食べます。



ちなみにビールは、見栄を張ってドライにしました。