2012-02-09

昆布と削りぶしを使って手軽に作る。
「タラとジャガイモの洋風塩バター鍋」


洋風の料理を作るとなると、本格的にやろうとすれば、牛の骨を丸一日かけて炊いてスープを取り、さらに野菜を加えてソースを作り・・・、なんて話になっちゃうわけですよね。

まあ実際に、ヨーロッパの主婦がそこまでして料理しているかどうかは別としても、それじゃあまりに面倒くさいからというので、日本でやろうとすると、レトルトのパックとか、固形のルゥとかを買っちゃうことになる。

まあ、べつにもちろん、そういうものを買うのを非難しようってわけじゃないんですが、もったいないとは思うんです。

たしかにレトルトや固形ルゥは、手軽においしくできるから、忙しい主婦や一人暮らしの人にとって、便利であるのはまちがいない。

しかし便利さの代償として、私達が業者に売り渡しているものは、「料理のおもしろさ」なんですね。



料理を単に「労働」ととらえ、それを「効率」というものさしで測るのならば、短時間でおいしい料理ができるレトルトや固形ルゥを使ったほうがいいに決まっている。

でもレトルトや固形ルゥを使ってしまえば、その中身はブラックボックスになってしまい、自分には何も分からない。

分からないから、おもしろくもなく、愛着もわかないし、広がりもない。

単に効率を重視するだけの労働には、発展性がないんですよね。



「しかし実際の話、何時間もかけてスープとってる時間は、私にはないんですけど・・・」

というのももっともな話で、アメリカやヨーロッパの主婦も、缶詰やレトルト、固形のスープを使う人も多いんでしょう。

ところが日本には、便利なものがある。

昆布と、削りぶし。

魚のスープをとるにしたって、西洋流に本格的にやろうと思ったら、あらをコトコト煮出したりするんでしょう。

でも昆布と削りぶしを使えば、ものの10分ほどで、おいしい魚のスープが出来てしまうというわけなんですね。

このスープを使い、洋風の味付けにすると、昆布と削りぶしを使ったとは絶対に分からない、おいしい洋風スープになるんです。



昨日作ったのは、タラとジャガイモの塩味スープ。

僕は鍋にするわけですが、これはべつに、スープとして飲んでも十分いけます。



まず昆布と削りぶしのだしを取る。

普通の人なら2人前、僕の場合は、晩飯と、翌日のうどんでちょうど食べきる量になる、800ccの水に、だし昆布と、削りぶしを1つかみ入れ、中火にかける。

沸騰したら弱火にし、アクを取りながら3分ほど煮て、ザルにキッチンペーパーを敷いたもので漉す。

削りぶしは、かつお節より、サバだのムロアジだのイワシだのが入っているやつのほうが、味も濃く出るし、安いです。

魚屋のおばちゃんも、お吸い物にするのでも、かつお節でなくこちらを使うと言っていました。



タラは、生ではなく、アメリカやロシア産の塩タラにすると、だいぶ安いですよね。

ただこれもスーパーによるみたいで、西友では、塩タラは生タラよりずいぶん安いんですが、グルメシティでは、たいして変わらない値段で売っていました。

塩タラも、生タラとはまた違ったコクがあり、僕は好きです。



あと入れるものは、5ミリぐらいの厚さに切り、水にさらしたジャガイモと、くし切りにした玉ねぎ。

これにせいぜい、カブやキャベツくらいでとどめておけば、本格的な洋風スープになります。

でも僕の場合は鍋なので、白菜にしめじ、豆腐。

洋風スープでも、これらの和風材料は、まったく、なんの問題もなく、バッチリ合います。



鍋にだしを注ぎ、ニンニク1かけとローリエを入れます。

この2つが、洋風味のポイントですよね。



タラと野菜を鍋に入れ、10分ほど煮て、塩で味付けします。

スープなら、これで完成。



昨日は鍋でしたから、さらに豆腐としめじを入れ、ひと煮する。

ここにバターを入れましたが、スープにするなら、器によそって、各自でバターを入れてもらうようにしたほうがいいと思います。

またバターじゃなく、オリーブオイルやレモン汁、トマトを小さく刻んだのなどを入れるようにしても、まちがいなくうまいです。



好みで、粗びきの黒コショウと、パセリをふる。

鍋としても、バッチリおいしく、日本酒にも問題ありません。

ご飯のおかずには、ちょっと難しいかもしれませんが、白ワインにパンなら完璧です。



うどんにしても、たいへんイケます。