2012-01-19

和風だしにニンニクを効かせる。
「鶏とカブの和風トマト鍋」


「トマト鍋」って、去年あたりからブームになっていて、トマト鍋用のスープも売られているし、レシピもけっこう出てますよね。

トマトはイタリア料理の主役ともいえる存在だから、トマト鍋の多くも、オリーブオイルやニンニク、ハーブを使った、洋風の作り方をしています。

それなのに、日本の鍋に入れるような、白菜とか豆腐とか、和風の野菜を入れてもけっこう合うのが、意外性があって受けてるんじゃないかと思いますが、でも問題も、ないではない。

オリーブオイルやハーブを入れてしまうと、どうしても、ワインとパンが欲しくなってしまうんですよね。

いやもちろん、鍋にワインを飲んだって、いいわけだけれど、「やはり鍋には日本酒を飲みたい」という、僕のような人だって、いないわけではない。

そこで、「日本酒にあうトマト鍋」を研究したいと思い、ちょっと前に白味噌とトマトを合わせた鍋を、作ってみたりしているんです。



白味噌の和風トマト鍋は、悪くはなかったんですが、いわゆるトマトにあう黄金の材料、オリーブオイル、ニンニク、ハーブ、チーズのいずれも使わなかったため、ちょっとパンチに欠ける味になったにもかかわらず、日本酒にも合わないという、ちょっと残念な結果となりました。

そこで、もう少し、パンチを効かせて、トマトの良さを引き出しつつ、日本酒にあう作り方がないかと思い、色々考えてみました。



オリーブオイル、ニンニク、ハーブ、チーズのうち、まずニンニク自体は、日本酒に合わないわけではないということは、実証済みです。

韓国料理をよく作るんですが、ニンニクがたっぷり入っているにもかかわらず、日本酒はまったく問題ない。

そうすると、オリーブオイルとハーブが、ワインとパンを欲しくさせる原因なのじゃないかと考えました。

チーズは、とりあえず入れずに作って、スパゲティの要領で、あとから振りかけるようにすれば、失敗がないですよね。



それで作ってみた、ニンニク入りの和風トマト鍋、たしかにパンチがあり、トマトの良さが発揮されながら、和風の落ち着きがあって、大変うまいはうまかったんですが、結論を言ってしまえば、日本酒には今回も、ギリで合いませんでした。

トマトと日本酒は、根本的に合わないのかもしれないですね。

まあしかし、おいしいことは間違いないので、作り方をお知らせしますね。



まず削りぶしでだしを取る。

これはだしパックとかで手軽にやってもかまわないし、ほんだしとかでも、問題ないかとは思います。



だしにカットトマト缶を入れる。

ここに、うすくち醤油か、または塩と醤油で味をつけ、すりおろしたニンニク1かけ分を入れる。

味付けは、最も簡単にやろうと思えば、だしも醤油も使わず、めんつゆでやってしまうということかとは思います。



一口大に切った鶏もも肉を、10分ほど煮る。



あとは、好きな材料を入れ、煮込んで出来あがりという話です。

昨日は、鶏肉とカブ、それに玉ネギ、油揚げ、シメジ、カブの葉、アサリを入れました。

肉は豚肉とかでもいいし、白菜とかキャベツを入れてもらってもいいかとは思います。

ただアサリは、ボンゴレロッソもあるように、トマトとは相性のよい素材だと思うので、ぜひ入れてもらったらいいのじゃないかと思います。



粉チーズとタバスコは、入れるとさらにおいしくなります。

ただ、日本酒からは、さらに遠ざかってしまう所がありました。



このトマト鍋が、ご飯のおかずになるのかどうかは、確かめていないのでわかりませんが、ちょっと微妙なところかなとは思います。

でもうどんには、まったく問題なく、非常においしかったですし、ご飯も、残り汁に入れリゾットみたいにしてもらえば、おいしいのじゃないかと思います。

うどんの場合には、粉チーズとタバスコは、かけたほうがおいしいです。





先日、友人とメールで、「料理の手順」についての話になりました。

その友人は男性で、機械工学の専門家なので、

「料理をする時にも、効率を考えるところがある。例えば、洗い物を最小限にするために、肉をいちばん最後に切るようにするなどしている」

と言っていました。

それは非常に分かるところがあり、僕も効率を、まったく考えないわけではないんですが、でも、僕の考えは違うんですよね。

僕は、

「やりたいと思う、または思い付いた順番にやる」

ということにしています。



ひとつにはそれは、「台所が非常にせまい」ということが、理由としてあるんです。

うちはワンルームマンションで、台所は、ほんとに申し訳ていどについている、小さなものなんです。

お湯を沸かしたり、簡単なものを作ったりすることしか、考えられていないと思うんですよね。

だから、たとえば本当はまず肉を使わないといけないのに、先に野菜を切っておくということにしてしまうと、その切った野菜を置いておく場所がないんです。

とにかく切ったものは、即、鍋に入れていかないといけない。

だから、まな板は、料理中、何度でも洗います。

使った調理器具とかも、洗って、さらにふきんで拭いて、戸棚にしまうところまで、料理中にやってしまわないと、置く場所がなくなってしまう。

調理器具を洗うことについては、厭わないということが、この小さな台所で料理するためには必要なんですね。

だからそういう意味では、僕も効率を考えていると、いえないわけではありません。



ただもうひとつ、僕が調理を「やりたいと思った順番にやる」理由は、そのほうが、「料理が楽しい」からなんですね。

これは性格的なものかもしれませんが、調理の流れを全体としてシミュレーションし、効率的に作れる方法を考えてから料理をするよりは、なかば行き当たりばったりでも、思い付いた順番に手を動かしていったほうが、料理のプロセスを楽しめるような気がする。

僕の場合、ひとりで暮らしていて、自分のために料理をしますから、「義務」という側面が、ゼロなんですね。

だから楽しくないと、料理が続けられないところがある。

まあこれは、ひとり暮らし料理の特徴なのかもしれないですね。



みなさんは、どう思われますか?