2011-12-03

冷蔵庫にあるものをすべてたたき込む。
「残り物のトマトスープ」



この頃いろんなレシピを参考にして、ちょっと凝った料理などを作るようになったから、材料があまって仕方ない。

一人暮らしが料理するにあたって、いちばん問題となるのが、買い物だ。スーパーにしたって、魚屋や八百屋にしたって、ひとりで食べる分を料理するのに、ちょうどいい量を売ってくれやしない。ほとんどまちがいなく、多すぎる。

そこで一人暮らしが料理するのに大事になってくるのは、「材料があまっても罪悪感をもたない」ことになる。

もちろん材料をあまさずに、使い切ることができれば、それに越したことがあるわけはないのだが、一人暮らしにとってそれは、至難の業と知るべきだ。だいたいの材料は、4人分でちょうどいいように、小分けされているのだから、それをひとりで食べて、あまらせないようにするためには、よほどの工夫が必要となる。

日本人は小さな頃から、「食事を残してはいけない」と教育されるから、材料を冷蔵庫に残し、ダメにしてしまうと、何かとても悪いことをしたような気になってくる。しかしそうやって、残り物を捨ててしまうことに罪悪感をもち、そのことが負担になって、料理自体をしないことになってしまうのならば、話がまったく逆さまだろう。それだったら、一人暮らしは材料をあましても、仕方がないと、開き直ったほうがいい。



しかし一人暮らしで料理をして、材料をあまさない方法が、ないではない。一回に食べる分しか買わないことだ。

材料が、4人分でちょうど良いことになっているのだとすると、それはむずかしいのじゃないかと思うかもしれない。その答は簡単なことで、材料の点数を減らせばいい。

一人暮らしをはじめて、まず手始めにやってみたくなる野菜炒めなど、まったく実は、一人暮らしには向いていない。野菜炒めを作るのに、キャベツともやしとニラとニンジンとシイタケと、などと買い揃えてしまうと、それらをその日に使い切ることは、まずできない。そうすると、あまった材料で、毎日野菜炒めを食べないといけないことになり、もうそれだけで、料理が嫌になってしまうのは、確実だろう。

そうじゃなく、一日目はもやしと肉だけを買い、もやし炒めを作り、二日目はニラ炒め・・・などと、単品で料理するようにしていくと、買った材料をその日に食べきり、翌日は、違うものを食べることができるようになる。



ところがこのところ、4人分のレシピなどを参考にし、料理を作ってしまったものだから、冷蔵庫が残り物でいっぱいになってしまった。そこで昨日は、残り物のトマトスープ。残り物をすべて煮て、トマトで味をつけたという代物だ。



買ったまま使わなかった手羽先に、塩コショウし、オリーブオイルをひいて、中火で焼き、焦げ目がついたら取り出しておく。

オリーブオイルを足し、みじん切りの玉ネギ、つづいてみじん切りのニンニクを、弱火で炒める。

玉ネギが透き通ってきたら、水を注ぎ、手羽先をもどし、ロリーエを入れて、10分ほど煮る。

トマトピューレーをドボドボ入れ、塩で味付け、あとはコショウだの、適当なハーブだのスパイスだのを次から次へと入れる。

ジャガイモだの、カブだのキャベツだの、ししとう、セロリ、ブロッコリー。残り物をすべて、火が通りにくい順に入れ、15分ほど煮て出来あがり。




まあ魔女のスープじゃないが、こういうものは、いうまでもなく、うまい。

今日から3日ほど、家を空けることになっているので、これで冷蔵が片付いた。