2011-10-21

簡単で、死ぬほどうまい。
檀流クッキング「イカのスペイン風」


昨日は「檀流クッキング」のなかから、

「イカのスペイン風」

を作ってみた。

スペインでは、「プルピートス」と呼ばれる料理だそうだが、檀一雄がスペンを放浪していたとき、何度も食べ、作り方を目撃してきたものだ。

「檀流クッキング」でも、かなり冒頭のほうに載っているから、檀としても自信がある料理なのだろう。

作り方は簡単で、しかも死ぬほどうまかったから、ぜひ試してみてほしい。




イカはかならず、ワタや墨をぬかない、「そのまま」を買ってくる。イカの種類は、ヤリイカ、スルメイカ、モンゴウ、ホタルイカ・・・、何でもいい。


まずイカは、胴のふくろの片側に、ふくろにへばりつくようにして、たてに軟骨がはいっているから、それを取りのぞく。


ふくろの内側を、ちょっとこそげるようにして、軟骨を指でつかみ、そのまま横に引いていけば、きれいにぬける。


それから、イカのくちばしを取りのぞく。くちばしは、足の付根のところにある。


手でほじくり出すようにすると、きれいに取れる。くちばしは、2つある。


そうしたらこのイカを、

「肝も墨も一緒に、ブツブツとブッタ切ればよい・・・」

昨日は、1~2センチ幅ほどにぶった切ってみたが、もっと細めにしたほうが、食べやすかったかも。


ぶつ切りにしたイカは、身もワタもごたまぜにして、器に入れ、よくまぜ合わせる。

そこに、「薄塩」をする。昨日は塩をひとつかみ入れてみた。

「生ブドウ酒や酒など」をくわえる。昨日は日本酒を、「じょぼじょぼ」というくらい入れた。

あとはコショウを振る。

これをさらによく混ぜ、15分くらい、そのまま置いておく。


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このイカを、フライパンで炒めるのだけれど、調味料は、「押しつぶしたニンニク」と、「丸のまま1本のトウガラシ」、それにバター。

とうがらしは、家に丸のまま1本のがなかったので、刻まれているのを使った。


フライパンにオリーブオイルを入れ、まずニンニクととうがらしを入れ、中火であたためる。これはあとで、捨ててしまってかまわない。


そうしたら、

「猛烈な強火にし、煙が上がる頃一挙にイカを放り込んで、バターを加え、かきまぜれば終り」

となる。

新しいイカは、生のままでも食べられるのだから、あまり火を入れ、固くしてしまうともったいない。




というわけで完成した、この檀流「イカのスペイン風」、ほんとにすごい。

まずイカが、ワタといっしょに食べるとうまいのは、当然として、それをオリーブオイルにニンニク、とうがらし、それにバターで味つけするのが、たいへんうまい。

「いかにもスペイン」という感じがする。

僕はスペイン料理を、それほど食べたことはないのだけれど、これを食べた瞬間に、

「スペインだ・・・」

と思った。

この食べ物のまわり、半径1メートルは、完全にスペインになってしまう。

「スペイン人は、墨のドロドロをパンにつけながら食べていた」

そうなのだが、たしかに器の底にたまる、オリーブオイルとワタの汁を、パンにつけて食べると、さらに死ねるのはまちがいない。

昨日はパンがなかったのが、返すがえす残念だった。


ただ昨日のこのメニュー、イカのスペイン風だけが、「超スペイン」でギラギラしているのにたいし、ほかのものは、純和風。

墨絵のような、和風の味が、極彩色のスペイン風に圧倒されてしまい、よくわからないことになってしまった。

せっかく「小松菜と厚揚げの炊いたん」も作ったのに、ぜんぜん味がしなかった。