2011-05-11

アサリのぶっかけめし

昨日の菅首相の記者会見。
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg4801.html
http://www.asahi.com/politics/update/0510/TKY201105100553.html

原発問題について、今後の大きな方向を示す。こういうことは、もっと早いことやっておいてもらっていても良かったのじゃないかとおもうのだけれど、状況はいよいよ切迫し、月末にはサミットもひかえ、いよいよ尻に火がついたのか。

批判するのは得意だけれど、されるのは嫌いという、野党根性が抜けなかった菅首相、これまでは何かと、奇策を弄して、自分は無傷なままに、ひとを攻撃できる立場を確保しようと、骨を折ってきたように見受けられるが、昨日は「これまで国策として、原子力政策を推しすすめてきた政府としての責任をとって」という理由で、6月から、総理大臣としての歳費を返上することを発表。実際にこれまで、国策として原子力政策をすすめてきたのは自民党なわけだから、これはいよいよ、肉を切らせて骨を断つ、菅首相が腹をすえて、これまでの自民党の政策を解体していくということの、宣戦布告ののろしなのか。そうならいいのだけどもな。

具体的にはまず、「事故調査委員会」の発足を発表。過去の関係者ではない、独立した判断ができるひとを選ぶとのことだけれども、これは実際、誰が選ばれるのか、見ないとなんともいえないわけだよな。

それから「原子力を総電力の50パーセントに高めるという政府のエネルギー計画を、白紙から見直す」と明言。原子力と化石燃料に加え、太陽光や風力などといった再生可能エネルギーを柱の一つにすえるとともに、省エネ社会をつくることを考えていくとのこと。これについても、ほんとにそれが、きちんと実現されていくのかどうかということは、一つひとつの政策を、具体的に見ていかないとわからない。

とくに、いま並行して考えられている、「賠償スキーム」が、どのようなかたちで行われるのか、目を離してはいけないのだ。

再生可能エネルギーをほんとに普及させるためには、地域の電力のすべてを、電力会社が独占するという体制を解体し、発電と送電とを分離するとか、発電についても、原子力を切りはなして国有化するとかいうことを、これから考えていかなければならない。これは東京電力を分離・解体するということなのだから、当然東京電力は、仲間の経産省を巻き込んで、全力で抵抗してくるということになるわけなのだが、賠償スキームの問題は、このことをきちんと見据えて、考えていかないといけない。「東京電力を温存する」ということを前提に、中途半端な給与返上や経費節減で、お茶をにごしてしまってはダメなのだ。
http://twitter.com/#!/masaru_kaneko/status/67974511349338112
http://www.asahi.com/paper/editorial.html
http://blog.livedoor.jp/kaneko_masaru/archives/1509231.html

じっさい河野太郎氏は、いまの民主党の賠償スキームが、「東電救済案」になってしまっていると、つよく指摘している。
http://www.taro.org/2011/05/post-1002.php

まず政府は、東電がじっさいに、どのくらいの支払能力があるかについて、東電と金融機関が自分でつくった数字を信じ、きちんと調べていない。さらに東電の資産が保全されていないので、本来賠償にまわされなければいけないお金が、金融機関への返済につかわれてしまう可能性がある。そうしたことについて、まずきちんと対策をとったうえで、経営陣を総退陣させ、株主責任を問い、金融会社の責任を問い、ということをしていくと、数兆円が浮くという。そのぶん、国の負担、つまり国民の負担が減るというわけだ。

河野氏はそのために、近くの与党議員の事務所をたずねるか、または電話して、
「なぜあなたは、国民の負担を増やして、東京電力を救済するのか」
とたずねてほしいといっている。

河野氏はその詳しいやり方も、自身のブログに書いている。
http://www.taro.org/2011/04/post-987.php

署名やデモよりも、国会議員のそれぞれに、国民の一人ひとりが、自分のおもいをきちんと伝えることが、いちばん効果的であると河野氏はいう。

僕も、ひとを動かすのは、けっきょくは「ちから」より「おもい」なのだから、河野氏がいうことは、傾聴に値することだとおもう。

昨日の昼めしは、アサリのぶっかけめし。アサリはいまが旬だから、中国産のむき身のやつが、ものすごくいっぱい入ったのが、100円ちょいで買える。これをだしパックのだしで、大根といっしょに煮て、酒とみりん、淡口醤油、それに塩で味つけする。炊きたての白めしに汁ごとぶっかけ、七味をふる。

前につくったとき、調味料を入れすぎて、アサリの淡い風味が飛んでしまったから、昨日は調味料を、ちょこっとだけにして、あとは塩で味をつけたら、なかなかよかった。

でもこれはもしかしたら、逆にものすごくこってり味つけしてみても、それもまたいいかもしれないな。

晩めしは鶏の水炊き。

鶏モモ肉と豆腐、長ネギを、昆布だしに酒を入れた水で煮て、ポン酢に唐辛子をふりこんだタレで食べるというだけの話だけれど、酒にもよく合い、飽きることがない。鶏肉を煮過ぎないのがポイントだ。

酒は福島、笹の川ほろ酔。