2010-11-28

広 島

今度広島に用ができて、行くことになった。広島には1年8ヶ月いたが、ブログを本格的に始めたのも、食べ歩きを始めたのも、広島にいた時なのだ。

広島へ行って、まずはお好み屋を色々回ってみた。広島にはお好み屋が、市内で2,000軒、県内で3,000軒あるとのことで、実際商店街などでは全くない、住宅地の裏通りにも、けっこうな頻度でお好み屋を見かけ、それらは曲がりなりにも、経営が成り立っているわけだ。これはお好み屋というものが、これだけたくさん広島にできた経緯が、戦後原爆でご主人を亡くした未亡人が、小さな子供を抱えながら自宅の一角を改造して始めた例が多いということと、関係あるのだと思う。地域の人達がみんなして、そういう未亡人を応援するために、お好み焼きを買ったのだ。

お好み焼きの焼き方には、大きく分けると二種類ある。広島ではお好み焼きに麺を入れるのだが、この麺を、本体とは別に焼いて、あとから合体させるやり方と、初めから本体に入れてしまって、一緒に焼いてしまうやり方だ。元々は後者の、麺と本体を一緒に焼くやり方だったものが、繁華街の店が個数をさばける前者のやり方を編み出して、それが全体に広がったと聞く。今ではソース会社が新規開店の指導をする時に、前者の別に焼くやり方を奨励しているものだから、繁華街ではない、住宅地のお好み屋でも、そうやって焼いていることが多い。でも僕は、麺と本体を一緒に焼いた方がうまいと思う。麺にあらかじめソースの味を付けておくから、焼いているうちにそれがキャベツや何かに広がって、出来上がってから初めてソースを塗るのとは違い、全体がほんのりとしたソース味になるのだ。


あまり知られていないが、広島はラーメンもうまい。醤油豚骨なのだが昆布や鰹節も隠し味として入れてあり、なんともやさしい味がする。広島でラーメンといえば尾道が有名だが、広島も負けていない。もっと宣伝すればいいのにと思うのだが、どうしてなのだろう。広島の老舗店と言われる店は、中心街から遠く離れた、辺鄙な場所にある。また店構えがあまりにボロくて、入るのに躊躇するほどなのに、食べてみるととんでもなくおいしいということも多い。

おあばちゃんがやってる店が多いというのも特徴だ。それから居酒屋はもちろん、焼肉屋や寿司屋、喫茶店などでも、きちんと本格的にスープを取った、けっこううまいラーメンを出していたりする。広島の人に聞くと、ラーメンというのはあまりに当たり前すぎて、それが何ら宣伝に値いする、特別なものとは思えないと言う人が多いのだが、実際西日本というのは、ラーメン文化が地域に根付いている感じがする。逆に考えてみたら、その分、うどん・そばの店は少ない気がするな。


広島はもちろん、魚がおいしい。広島の漁港草津港に、中央卸売市場があって、そこにある食堂に、週に2、3べんは通った。なにしろ朝水揚げされた魚を昼に出したりするわけだから、そのうまさたるや死ぬしかない。しかも激安。ラーメンと、死ぬほどうまい寿司7コのセットが、850円だったりする。お腹いっぱい食べて飲んでも、3,000円以上取られたことない。

ここは今度も行きたいと思ってるのだが、先週連絡してみたけれど、電話に出ない。おばちゃん時々、風邪引いて倒れたりするからな。なんとか僕が行くまでに、回復していてほしい。