2010-11-23

サンマ鍋


僕はスーパーへ行くとき、前もって献立を決めておくことは全くなくて、まあそれは単純に面倒臭がりということではあるが、スーパーで実際に、何が安いのかを見てからでないと決められないということが大きい。ていうか、それって普通か。ごちそう料理でもない限り、主婦はそうやって献立考えるよな。

わざわざこんなこと書いたのは、日常的に料理をしていなかった頃は、料理というものはまずレシピを見て、今日はこれを作ろうと決めて、それからレシピに書いてある通りに材料を買い揃えるものだと思っていたからだ。男の一人暮らしの人で、料理をしない人とか、そういう風に考えている人、意外に多いのじゃないかと思うのだがな。

ところがそうやって考えてしまうと、「料理の作り方を考える」という、料理をするうえで一番おもしろいところを、体験できないことになってしまって、ほんとにもったいないのだ。まあもちろん、作り方も何も、料理をしたことが全くなければ、レシピを見るしか仕方ないじゃないかということも、たしかにその通りではあるのだが、料理をしたことがなくたって、誰でも一日3回、料理を食べ続けてはいるわけだ。

スーパーで材料を見たり、冷蔵庫の残り物をチェックしたりして、そこから何が作れるのか、自分がそれまで食べておいしかったものを思い浮かべたりしながら、頭を巡らせて考えるということが、料理をするうえで一番たのしいことだと僕は思うのだよな。料理をあまりしたことがない場合だと、例えば魚を煮てみようと思ったとしても、やったことがないから、かなりの冒険になるわけだ。でも思った通りにやってみて、成功すればとんでもなく嬉しいし、失敗すると悲しいが、物事なんでも、失敗しないと、何かを身につけることはできないように思う。

それで失敗しても、レシピを検索したりせずに、自分で失敗した理由を考えて、再びチャレンジしてみて、成功してからレシピを見ると、自分がやったことが理論的に裏付けられるようなところがあって、ほんとにタメになるのだ。

と言いつつ、僕はこのブログでレシピを書いているのだから、矛盾していると言えば、たしかにそうだな。

そういうわけで、昨日はグルメシティで色々見たが、特売日じゃなかったのであまり安いのがなく、ふと目に入ったサンマ、二匹で150円。もう鍋にするということは、初めから決まっているので、これを鍋に入れることにしたわけだ。

ちなみになぜ僕がそこまで毎日鍋にするのかと言えば、うまいし、冬だから暖まるし、ということもあるのだけれど、家はワンルームマンションだから、コンロがIHのが一口しかなく、複数の料理を並行して作ることができないのだ。二つの料理をつくろうと思ったら、単純にそれらを足し合わせただけの時間がかかってしまうので、一つの鍋ですべてを調理できる、鍋が一番、時間がかからないということなのだ。

と今日は、いらぬ脱線しまくりなのだが、サンマは昨日は、味噌味の鍋に入れることにした。何度も書いているが、味噌に、ショウガ、またはニンニクと唐辛子を入れると、アクや臭みはまったく気にならない。サンマとか、サバとかの鍋って、料理の本でもあまり見かけないと思うのだが、やってみると大変うまい。僕はかなりおすすめなのだ。

サンマは頭を落として、ハラワタを掻きだして、水で洗ってぶつ切りにする。それを昨日は念のため、さっと熱湯に通したが、これもしかしたらやらなくても、問題ないかもしれないのだよな。

鍋にだし昆布をしき、そこにサンマと好きな野菜を入れる。昨日は白菜と、長ネギではなく、玉ねぎにしてみた。味噌味には長ネギじゃなく、玉ねぎのほうが合うような気が、なんとなくするな。おまけに安いし。アメリカ産。あとそれに豆腐としめじ。

味噌をがっぽりと、チューブのニンニク、韓国唐辛子。そこに水を張り、酒とみりんをたっぷり入れて、火にかける。あとはそれを、味噌を溶きながら、好きなだけ煮たら出来上がり。アクとか取る必要は、まったくない。

サンマもそろそろ終わりだからな。今年は鍋にハマってしまったので、あまりサンマ、食べなかったのだが、今のうちに食べとかないといけないわけだ。