2010-10-13

SPICE CHAMBER

四条烏丸近くのカレー店。クチコミサイト食べログでみて、家からわりと近くて評判が良かったから行ってみた。ちなみに今日は片道15分ほどの距離を、自転車ではなく歩いてみた。ちょっとした運動になって、なかなか快適。それに街って、歩かないと、新しいものを見つけること、なかなかできないのだよな。今日何を見つけたということでもなかったが、店をいろいろ眺めていくのは楽しかった。

それでこの店、早々と結論をいってしまうと、たいへんおいしかった。僕がこれまでの人生の中で食べた、好みのカレーベスト5に入るかもな。3位だな、たぶん。1位は岡山、2位は名古屋にある。

何がそんなにいいかといえば、ひとことで言うとさっぱりとして、さわやかなのだ。ふたことじゃん。カレーにもいろんな味があって、種類の違い自体は好みの問題であって、いいも悪いもないのだが、ものすごく大雑把に、単純化して分類すると、まずこってりしてるかさっぱりしてるか、という違いがあると思う。これは最近の傾向としては、こってりしているものの方が多いと言えるのじゃないか。次に辛さが、唐辛子を軸とした感じのさわやかなものか、それともいわゆるスパイス、というような感じの、華やかな味か、ということがある。これもどちらかと言えば、華やかな辛味のカレーのほうが多いのじゃないかと思うのだが、このこってりとして、華やかな辛味のカレーが主流の昨今、僕はあっさりと、むしろシャバっとしているくらい軽い、唐辛子系のさわやかな辛味のする、少数派といえるカレーが好きで、この店のカレーが、まさにそう味なのだ。僕の好みにぴったしカンカンなのだから、いいに決まっている。

もちろんただ、カレーの種別が僕の好みに合っているというだけの問題じゃなく、この店のマスター、かなりのものだと思う。新福菜館三条店の大将とちょっと似たような感じで、JAYWALKの中村耕一系の顔をした、って顔はどうでもいいのだが、ちなみに奥さんらしき人は美人、それもどうでもいい、求道者的な雰囲気をたたえている人。どこかのカレー屋で修行したのかと聞いたら、いやそういうわけではなく、いろいろ食べ歩いて、自分で作って食べてみて、ということを繰り返してきたのだとのこと。壁には何十種類というスパイスが並び、その配合を時間をかけて、いろいろ試してきたのだろうな。このカレー、たしかにそれだけのことはある味なのだ。

まずびっくりするくらい大量の、よく炒められた玉ねぎが入っていて、これが味の中核を決めている。野菜がいろいろ煮込まれているというより、わりとこれ一本なのかもな。玉ねぎのコクと、ちょっと酸っぱい感じとが、なんともいい。

そしてここに、コクを補うためだろう、チーズが入れられている。チーズの入ったカレーって、トッピングでチーズを添えるのは別として、わりと珍しいのじゃないかと思うが、クリームなどでコク出しをするのと違って、あっさりしていながらコクがあるという、そういう二律相反ともいえる状態を、うまいこと実現していると思う。

ライスはちょっとかために炊かれた白めし。チーズが入っているということが、白めしとの相性の上でも、かなり大きいと思う。

つけ合わせは、キャベツを甘酢で一夜漬けした、という感じのもの。ザワークラウトの浅漬といえばいいか。

メニューはチキンカレーとキーマカレーの二種類のみ。基本のソースからそれぞれ小鍋で調理するので、意外に時間がかかる。僕はチキンカレーにしたが、このチキンも、ソースでいっしょに煮込まれているのではなく、スパイスと塩で下味をつけて、それを炒めたものを小鍋に入れて、さっと煮るという形になっているので、ぷりぷりの食べ応え。あとは青と赤のパプリカと、ころんとしたジャガイモが入っていた。

チキンカレーの値段は900円、キーマカレー950円で、カレーの相場からしたらちょっと高いが、量も十分あるし、なによりこれだけきちんとした材料を惜しげもなく使って、手をかけて作られているから、高いことはまったくないと思う。


SPICE CHAMBER カレー / 四条駅(京都市営)烏丸駅五条駅(京都市営)
昼総合点★★★★★ 5.0