今日も鍋。
もう僕は、鍋の道を突っ走るのだ。
と決めているわけでもないのだが、このところ鍋を作るのがおもしろくて、ほかのものを作る気にならん。
鍋ってのは、名は体をあらわす、鍋でぐつぐつ煮てしまえば、何でもアリなわけだ、定義的には。
そのゆるい感じがたまらんな。
今日はいつもの水炊きではなく、汁のほうに味を付けるというやり方に挑戦してみた。
いや前にやったことあるから、挑戦ってほどじゃないんだが。
豚ばら肉と野菜を煮て、最後に大根おろしをガバチョとかける、みぞれ鍋。
豚肉と大根の相性がいいということは、とんかつのおろしポン酢とか、角煮大根とかを見ても、証明済みなわけだ。
スーパーでしゃぶしゃぶ用の豚ばら肉と、ってもちろん、しゃぶしゃぶ用がなければ、お好み用でも、何でもいいのだが、それに好きな野菜を買ってきて、鍋に並べる。
僕は昨日までは、小さな一人用の土鍋を使っていたのだが、やはりそれだと、ちょっと小さすぎるので、フライパンでやることにした。
ただこのフライパン、柄のところがとうとう馬鹿になってしまって、くるくる回るようになってしまったから、そろそろ買い換えないといけないのだ。
そこに、昆布を浸しておいた水を、昆布もろとも、材料が7割がた浸るくらいの量、注ぎ込み、コンロの火をつける。
沸騰したら、あとは手早い作業が必要だ。
あっという間に火が通ってしまうから。
あくを簡単にとって、まず酒、これはじゃばじゃばとたっぷり入れる。
あとは、みりんと砂糖と、うすくち醤油。
これをこの順番で、味を見ながら、好きなだけ入れる。
そのころにはもうすでに、火はほとんど通っていると思うから、最後に春菊と、たっぷりの大根おろし、これを汁もろともどっさり入れて、火を止める。
最後の大根おろしの水気を計算して、味はちょっと濃い目に付けておいたらいいのかも。
いやこれは激ウマ。
鍋っていうのが、こんな簡単なものなのに、どうしてこんなにうまいのか、ほんとに不思議なところなのだが、でもこれは、人間の料理のもっとも原始的な形を表したものなのだろうな。
鍋に感動するというのは、人間の食生活の原点に感動する、ということであるような気がする。