2010-09-11

小沢一郎

民主党代表選を来週にひかえ、今週発売された雑誌は、ここぞとばかりに小沢一郎を特集し、攻撃している。
小沢一郎、集中砲火だな。
世論調査の結果にしても、菅を圧倒的に支持する結果が出ているわけだから、これにマスコミの攻撃と合わせて、もし小沢が首相になるようなことがあれば、民主党は完全に支持を失うことになるのだろうな。
かといって菅が勝っても、それほど日本が良くなるような感じはしないが、それはまた今回の代表選とは、別の問題であって、とにかく今回、就任して数ヶ月の首相を変えようとすること自体が、まったくあり得ないことであると僕は思う。

小沢を特集する雑誌のうち、「週刊文春」と、「文藝春秋」を買ってみた。

週刊文春は、小沢一郎が、京都鴨川沿いにある老舗の料亭の納涼床で、派閥の会合が終わったあと、衆議院議員の青木愛と二人残って、青木は浴衣に着替え、二人は手をつなぎ、部屋に入っていったと、そういうことを書いている。
青木は、小沢に絶対的な忠誠を誓い、小沢と小沢側近の秘書のいうことしか聞かないのだそうだ。
その青木を、小沢は仕事の上でも引き立て、副幹事長に抜擢したり、また様々な便宜をはかり、まさに公私混同であると。
小沢と青木の密会の様子は、鴨川の対岸から、テレビ局のカメラが撮影したのだが、テレビ局は自主規制して、その映像を封印したのだそうだ。

それから文芸春秋。
文藝春秋は「悪魔が来りてホラを吹く」と題する、野中広務の手記を掲載している。

野中は小沢が、これまでの政界再編劇のなかで、党の政党助成金や、かつての自民党経世会の金、今回幹事長をやって、民主党の組織対策費、さらには湾岸戦争時のクエートへの支援金の一部、などを、小沢が自分のものにした疑いがあるということ、また恩師であった金丸信を裏切り、自民党副総裁を辞任に追い込んだことなどを明らかにし、小沢は理性的な政策ではなく、徹底的に打算で動く人間であり、自分の利益のためには、手段を選ばないと語る。
小沢が今回立候補したのも、ポストを失って、派閥の議員をやしなう金に困り、ポストを要求したけれども断られたことで、立候補しただけであり、高邁な理想があってのことでは全くないだろうと。

雑誌の記事や、政治家の発言を、丸まま信じることはできないことは、もちろんなのだけれど、前にも書いたけれども、僕も小沢を、政権交代してから約1年、眺めてきて、この人が、自分の利益のため以外には動かない人であるということについて、まったくその通りであると思う。
国のために何かを成し遂げよう、などということは、これっぽっちも考えていやしない。
まわりを自分に忠誠を誓い、服従し、自分の顔色をうかがう人間ばかりで固め、批判には耳を貸さず、逆にそれを葬り去ろうとする。
自分からリスクをとって動くということは決してせず、他人が自分の意向を忖度して、動くのを待ち、しかも自分のために動いた人間すらをも、都合が悪くなれば、いつでも切り捨てる。
そういう人間であるのだと思う。

小沢の剛腕に、期待する向きもあるが、それはとんでもない話で、小沢は、どんなにいま口で、どう言ったとしても、特定の政策をなんとしても実現する、などということを、するわけがない。
自分がいま言っていることなど、みんな忘れてしまうような、そういう混乱すら、仕掛けようとする人であると思う。
そんな人にどうあっても、日本の政治をまかせることはできない。
菅首相ももしかしたら、ダメ人間なのかもしれないが、それよりまず今は、小沢一郎の息の根をとめることが、何より大事な課題であるのだと、僕は思う。