2010-09-04

「女医が教える本当に気持ちのいいセックス」


Amazonで見て、ランキングのかなり上位に入っていたので、完全に興味本位で買った本。
表紙からしてエロ本チック、冒頭数ページにも、同様の萌え系オネエちゃんのイラストに、エロいメッセージが書き込まれており、おじさんとしてはウハウハしながらも、どうせろくな本じゃないんだろうと思って読みはじめたのだが、最後まで読んでみて、内容はいたって真面目、けっこうな良書だということがわかった。

著者は産婦人科の医師であり、女性むけの本を、これまで何冊か出しているようだが、患者の女性からセックスのやり方についての相談を受けるうち、医学部では習わない実際のセックスというものについて、きちんと勉強したいと考えるようになり、医者や教育関係者が参加する、「日本性科学会」に入会。
国際学会などにも出席している。

患者の女性と話をすると、セックスが楽しくなく、あまり好きではないという女性が非常に多いそうなのだが、その理由が、男性がアダルトビデオで知識を仕入れ、それを実践するところにあると、著者は見抜く。
荒唐無稽な、男性のためのファンタジーであるアダルトビデオのセックスは、女性にとっては苦痛以外の何物でもない場合が多く、それが女性をセックス嫌いにさせているのだと。

セックスのやり方など、教えられなくても、自然におぼえるものだ、ということは、僕もふくめて、男性の多くはそう思うことであり、そのノウハウ本を買うなどというのは、男にとってはどちらかといえば恥ずかしい、しかもそれを女に教えられるなどというのは、ちょっと馬鹿にされているとも思えることじゃないかと思う。
それは本当に、世の中に何の知識もない場合には、その通りかもしれないが、アダルトビデオがこれだけ出まわり、それを誰でもが見れる、今の世の中においては、男性にたいして、そのやり方がまちがったものだということを、きちんと伝えないかぎり、女性がセックスを楽しいと思えることはないと、著者は考える。
それでそういう本を、男性むけに出版するにあたって、それを男性に抵抗なく読ませるための高等戦術が、表紙や冒頭の、萌え系のイラストだったりするのだな。
たしかに男性が、エロ本やアダルトビデオを手にするのと同じ感覚で、この本を手にとり、読みはじめられるようにできている。
たいしたもんだ。

語り口も押しつけがましいところがなく、素直に読み進むことができる。
まあこの本を読んで、僕が何を学んだかについては、あえて語らないが、たしかに目からウロコ、学ぶべきことがたくさんあるのはまちがいない。


女医が教える 本当に気持ちのいいセックス