2010-08-08

鯛のアラと水菜の汁

このところ、夏なのに冬みたいなものばかり食べている僕なのだが、今日は鯛のアラと水菜の汁。
豆腐入り。
熱湯にとおした鯛のアラと、水菜と豆腐をいっしょに炊いて、酒、うすくち醤油、塩で味をつける。
甘みは入れない。
鯛のアラから出ただしが、また死ぬほどうまいわけで、これが水菜にしみ込むと、勘弁してください、というくらいの味になる。
これは水菜じゃなきゃだめだな。
小松菜とかほうれん草じゃ、こうはいかないのじゃないかと思う。

今日東山五条のあたりにいったら、五条通の両側の歩道、河原町五条まで延々と、陶器の市をやっていて、小林秀雄が陶器にはまっていたので、納得がいく徳利を一つもつ、みたいなことに、ちょっと憧れがある僕としては、店を見て回りながら、徳利を探してみたのだ。
窯元が全国から集まっているみたいで、焼くことには真剣ですが、商売には興味ないっす、みたいな風情のにいちゃんやおいちゃんが、それぞれ露天を出していて、その人となりと作品とを、見比べながら見て回るのが楽しかった。

徳利を見かけたら、いちいち手にとって握ってみて、触り心地がしっくりくるのを選ぼうと思ったのだが、備前焼とか唐津焼とか、いいのがあったな。
でも1万円も2万円もするので却下。
ひと通り見て回って、千円台前半の部のなかでは、いちばん気に入ったのが、上の写真の徳利。
2,000円。
持つと手にやさしくなじんでくるが、それでいてどっしり存在感がある、というもの。
聞いたら何焼きでもないそうだが、良さそうなおいちゃんだった。

で今日はこの徳利で、いつもの松竹梅を燗をつけて、飲んでるわけだが、酒の味が、いつもと違う感じがするのだ。
これは気のせいか、体調のせいじゃないかとは思うのだが、いつもよりきりっとした味になっている。
でももしほんとに、徳利で酒の味が変わるのだったら、すごいな。