ラーメン親爺

知人からうまいと聞いて、チャリンコをこいでやってきた。名前からすると、いかにもこわもてな店主がいそうだが、全然そんなことはない。創業からもう34年になるのだそうだが、生一本な職人という感じの先代と、その息子さんだろう、それに若奥さん、3人で和気あいあいとやっている。

当然まずビールなわけだが、ビールのアテにちょうどいいのがなかったので、

ゆで卵をアテにした。2個食べた。しかしビールにゆで卵というのは、初めて試したが、意外に悪くなかったな。

ラーメン。650円。

それにライス小、150円。

このラーメン、うまかった。まあ僕は、古いタイプの醤油ラーメンが、盲目的に好きということはあるのだが、それを割り引いても、このラーメン、きちんと主張があると思う。大きく分類すれば、黒ラーメン、新福菜館系の真っ黒いスープのラーメンということになるのだろうが、新福菜館とはかなり違っている。

だしは豚骨だと思うが、これが、だしをどんぶりに注ぐところを見ていたら、無色透明という珍しいもので、ここに脂が、スープの表面に膜をつくるくらいたくさん入っていて、臭みや雑味は皆無なのだが、かなりしっかりとしたコクがある。これがこのラーメンの、最大の特徴なんだな。それにすこし甘めの、濃厚なかえしが合わせてある。

麺はごわっとして、何も指定しなくてもけっこうな歯ごたえ。チャーシューは脂の部分と赤身の部分の両方が、かなりしっかり味を付けられて、ちょっと厚めに切って出てくる。メンマもこげ茶色で、これもしっかり味が付いている。

新福菜館のラーメンは、ああ見えても、どちらかといえばやさしい味がするのだが、こちらは「親爺」という名前だけあって、きちっとメリハリの付いた、ハードボイルドな味。もっと近くにあったら、通ってしまうかも、と思った。

あと化学調味料も、新福菜館もそうだが、ここもほとんど使っていないんじゃないかと思う。舌にピリピリくる感じがまったくなかった。

ラーメン親爺 （ラーメン / 花園駅、円町駅、等持院駅）
★★★★☆ 4.0