2010-08-10

えびすラーメン

このところまた、僕の内なるラーメンブームが再燃していて、いや再燃って、いつも燃えてるんだが、今まではどちらかというと、新たな、まだ見ぬ名店との出会いを求めて、ラーメン屋をまわっていたわけだ。
その炎が消えてしまったわけではないのだが、京都に来て5ヶ月が過ぎ、毎日のようにラーメンを食べていると、家から自転車で行ける範囲では、めぼしいラーメン屋には行き尽くしてしまった感があって、もう名店が隠れている可能性は、かなり低いなと思ってしまったりもする。
こうやって毎日ラーメンを食べていると、このブログを見てくれている人の中には、僕の健康を心配してくれる人もいて、行き尽くしてしまったのなら、これを機会に、ラーメンではない、何かちがうものを食べるようにすればよさそうなものなのだが、そうは問屋が卸さないのだな。
神様は僕に、ラーメンを食べろと言っている。

ラーメンを食べるのに、やはりビールは欠かせないのだが、今まではまずビールと、ギョウザか唐揚げか、つまみを頼み、ビールを飲み終わったところで、ラーメンとライスを注文する、という食べ方をしていた。
この順番は、酒の飲み方としては、一つの王道であり、べつにとくべつ問題があったわけではないのだが、何か一抹の物足りなさを、心の奥底で、感じていたことは事実だ。
それが何だったのか、先日京都駅ビルにある宝屋へ行って、あまりに行列しているから、あまり時間をかけて食べるのも申し訳ないということで、ビールとラーメンをいっしょに持ってきてもらってみて、はっきりわかった。
ラーメンとビールは、同時に食べるべきだ。
ライスも同時で問題ない。
キムチがあると、なおよい。

これは日本人的な感覚からすると、酒の飲み方としては、かなり邪道になるわけで、やはりまず酒を飲みながら何かつまんで、最後にご飯物と汁でしめると、考えてしまいがちなわけだが、たぶんラーメンは、中国発祥の、ゴチャ混ぜ文化の流れを汲んでいるということなのだな。
だいたいラーメンにライスという、ダブル炭水化物という時点で、おかしいと思わなければいけなかったのだが、これにビールが加わり、トリプルになることで、ラーメンの食べ方として完成されると言っても過言ではない。
ここでキムチの役割はかなり大きく、今までなぜラーメン屋には、キムチを出すところが多いのか、むしろ舌がしびれて、ラーメンの味をわからなくさせるのにと、不思議に思っていたのだが、このキムチ、ラーメンからライス、またラーメンからビール、さらに場合によっては、ライスからビールへの移行を、その辛味と臭みによって、なんともうまいこと橋渡しするのだ。

こんな世界を知ってしまっては、ラーメンを食べるのはやめられない。
今日も昼めし、他に行きたい店はなくもなかったのだが、心の底からラーメンが食べたくなってしまって、この店に来たというわけだ。
前置きが長くて、えらいすんません。

西大路御池をちょっと上がったあたりにある、「えびすラーメン」。
このあたりは、一つのラーメン激戦区になっていて、50メートルおきにラーメン屋があるというくらいの状態になっている。
この店は、もう15年、ここでやってるそうなのだが、この15年で、他の店は、だいたい4回も5回も入れ替わっていると言っていた。

まずビール。
しかし缶ビール。
キムチもなかった。
ギョウザもなし。
この店は、ラーメンとビールの関係について、あまり認識を深めていないということなのだな。

唐揚げ。

ラーメン。
単品だと550円。
安い。
唐揚げセットになると、750円。

ライス。
紅ショウガが取り放題で置いてある。

このラーメン、鶏がらベースの、大変プレーンなラーメン。
麺は極細。
とくに京都らしさというものは感じなかったから、店主はどこかで修行したということではなく、自己流にやっているということなのだろうな。

店頭に出している、手描きの看板からくるイメージとはちがって、店内はわりと小じゃれた造りになっていて、これなら女性客も入りやすいかもしれないな。
オネエちゃんを一人使っているが、これがハーフのような顔立ちをした、えらい美人だった。


えびすラーメン ラーメン / 西大路御池駅西大路三条駅円町駅
★★★☆☆ 3.0