2010-07-21

なすニシン

京都では、もちろん今はどんな魚でも売っているが、まだ輸送技術が発達しない頃は、魚は基本は干物だったのだと思うのだよな。そのなかでも身欠きニシンは、焼くのでなく炊いて使えるということで、京都のなかで独特の地位を得るにいたったのではないかと想像する。たしかにこってり炊いたニシン、ただ生魚を炊いたものにはない強い風味があって、これはクセになる味。僕は今後京都を離れることがあったとしても、このニシンの味は忘れないだろうと思わせるような、そういう何かがある。

ということで今夜はなすニシン。またなすとニシンがよく合うわけだ。なすも個性が強いから、相手をかなり選ぶわけで、思いつくところをあげると、味噌、ピーマン、みょうが。ひと癖あるやつばかりなのだ。なすはトマトともよく合って、なすのミートソースは黄金のメニューだが、これはトマトに癖があるというより、なすとトマトは同じ種類だから、似たもの同士ということなのだ。とちょっと知ったかぶってみました。

前回はニシンとなすを一緒に炊きこんでみたが、今回は魚屋のおばちゃん方式、まずニシンをこってりとした煮汁で炊いてから、その煮汁をうすめて塩を加えて、なすを炊いてみた。でもどうかな、やはり一緒に炊きこんだほうがうまいかも。煮汁からニシンをすぐに取り出してしまうから、こってりした汁で炊いても、いまいちニシンに味がしみないし、なすだってこってりした汁で炊いたほうがうまいかもだし。次回は一緒に炊き合わせることにする。

酒は松竹梅の酒パックを冷蔵庫で冷やしたん。これは危ないな。昨日はなんとか2合半で踏みとどまったが、今日はもっといってしまうかも。ひそかに梅干しとか用意していて、これを食べながら酒を飲むと、嘘のように酔わないのだ。当然そのぶん杯を重ねてしまって、酒飲みにとっては悪魔の食い物なのだが、梅干しは。でもこの頃は昼はビールを飲まずに、ケーキなんか食ってるから、1合くらい余分に飲んでも問題ないのだよな。