2010-02-13

東京大崎 「六厘舎」

「超らーめんナビ」で調べて、東京都でランキング1位の店に行ってみたのだ。大崎という寂れた街の外れにあるのだし、今日は雪もちらつく天気だし、それほど並ぶことはないだろうと考えたのだが、東京の行列を甘く見たな。天気のせいだろう、たしかにいつもより、行列は短かったみたいだが、それでも待ち時間、1時間半。ディズニーランド並みだな。だいたい東京の人は、通勤で、すし詰めの電車で1時間半というのは、まったく珍しくないのだから、人混みの中、ひたすら押し黙って立ち続けるということに、慣れているのだよな。忘れてた。

しかしこうやって、街の外れの小さなラーメン屋に、1時間も2時間も並ぶだけの人が集まるというのは、どういうことなのだ。広島などに比べたら、東京は絶対的に人が多いということは、もちろんあるだろうが、特定の場所に、ピンポイントで、群がってしまうのだからな。みんなどこへ行ったらいいのかわからなくて、情報が指し示す場所へ、右へならえで言うことを聞いてしまうということなのか。でもたしかに、街の外れの、個人経営のラーメン屋というのは、大資本が人を集めるために、人が集まるいい場所で、いかにも人が好みそうなものを並べ、巨額の金をかけて宣伝をして、というものと比べて、額に汗して、自分の味を追求して、と、いかにも本物がありそうな感じがするしな。そういうものに飢えている、ということなのかな。しかも行列ができると聞くと、なおさら本物らしく見えて、行ってみたくなるということもあるだろうしな。

つけ麺が有名のようだったが、メニュー筆頭が「中華そば」だったので、それを頼んでみた。700円。それにもちろんビール。チャーシューとメンマのつまみ付きで、中瓶600円。ラーメンは大盛りを頼んでみたら、巨大な器に並々と入ってきて、朝めし抜きで腹がひどく減っていなかったら、食いきれないところだった。入れ替え制だから、一人でゆっくり食べるわけにもいかず、ちょっとせわしなかったな。

スープは、ちょっとどろっとするほど濃く出した、肉のだしに、魚介だし。この頃よくあるタイプのスープで、どうということもない。麺が極太なのが特徴だが、これだって東京には、他にいくらでもあるしな。まずくはないが、ランキング1位に見合う味とも思わなかった。宣伝がうまいのだろうな、この店は。それに食べた方としても、これだけ並んで食べた以上、おいしかったと信じたいだろうから、あえてランキングに投票するということも、あるかもしれないしな。