おととい、似たような料理を作ったばかりなのだが、今日は煮方が違うのだ。立ち読みした料理の本に、肉は80度の温度、沸騰する寸前の、煮汁の水面が揺れないくらいのところで煮ると、やわらかく煮えると書いてあって、これは体験したことがない世界だったので、やってみることにしたのだ。
分量と時間は、まあやったことがないことだから、本に書いてあったのとまったく同じでやってみた。手羽元はさっと湯通しし、大根は1センチ幅、これちょっと厚くなってしまったのだが、確かに1センチくらいが良かったと思う、に切って、水から10分下ゆで、これを2.5カップの水にだし昆布、大さじ4の醤油、大さじ2のみりん、長ネギの青いとこと書いてあったが、僕は長ネギは常備していないので、代わりに薄切りのショウガ、で作った煮汁をまず一度沸騰させて、そこに入れたら、次に沸騰する寸前に、火をとろ火に落とし、ふたをせず、そのまま沸騰させずに、アクを取りながら20分煮る。以上。
20分の煮時間って、かなり短い気がして、これでほんとにやわらかく煮えるのかと思っていたのだが、要は硬いものをやわらかくするのではなく、考え方としてまったく逆で、肉を硬くしない、ということなんだな、なるほどな。たぶん肉のたんぱく質って、80度を越えると変性して硬くなる、ということがあるのだろうな、だからその温度を越えないように、料理するというわけだ。実際やわらかくて、もちもち。煮過ぎてないから、パサパサにならないんだな。しかも肉にも大根にも、ちゃんと味が浸みている。80度くらいがいちばん味が浸みるって、そう言えば何かの本で読んだことがある気がするな。
面白いな、こういうやり方があったんだな。だからよく店のおでんとか、四角い鍋に沸騰させずに置いてあるというのは、ただ保温というだけじゃなく、やわらかく火を通す、という意味もあったんだな。ちょっとこれからこのやり方、いろいろ応用できそうかも。
ちなみに今日は、ナスの塩もみ、いつもは薬味にかつお節とショウガを使ってたのだが、ナスってけっこうクセがあるからな、もうちょっとクセのある薬味を使おうと思って、ゴマと大葉とショウガ、にしてみた。もちろん上からしょうゆをかけて。うん、こっちの方がうまいな。ほんとはミョウガをあわせてみたかったんだけど、今日はマダムジョイ、ミョウガ売り切れだったのだ。