2008-09-29

お粥レシピ スパムと大根のお粥


お粥と雑炊のちがいは何か。どちらも米を煮たものだが、僕の勝手なイメージでは、おかゆは米が主役であるのに対して、雑炊は汁が主役である。だからお粥のつもりだったのが、具を色々入れたり汁に味をつけたりしているうちに、気が付いたら雑炊になっていたという事があるので、注意しなければならない。

白粥はさすが、毎日食べ続けても飽きないのだが、やはりちょっと味を付けてみたいなと思うとき、昆布や削り節を使うとか、中華だしの素を使うとか、そういう出し専用の具材を使うとなると、お粥と雑炊のあいだの微妙な境界を、雑炊のがわに一歩踏み出てしまうような気がする。僕が勝手にそういう気がするだけだが。お粥にしたときの米の味というものが、「日本人に生まれて良かった」としみじみ思う、まさに「滋味」と呼ぶにふさわしいものな訳なので、合わせる相手も、やはり滋味なやつでないと釣り合いがとれない。出し専用の具材を使うとなると何となく、柔道の試合に鉄砲をもって参戦するようなもので、米の一本負けになってしまうと思うのである。

米と一緒に20分か30分、ことこと煮て、滋味にあふれた出しもでて、しかもそれ自体も食べられる、そういうものを探してスーパーで色々見たりもするのだが、これまで成功した骨付きの鶏肉とか、干し貝柱とか、そのくらいなのかな、意外に難しいな、と思うのである。

しかし、僕には強い味方がいたのだった。スパム。


これはアメリカ生まれの食品なのではないかと思うが、沖縄とか韓国とか、米軍基地のある場所で、その土地の料理として取り入れられていたりする。「ランチョン・ミート」というやつで、たぶんこま肉を一度徹底的にくだいて、それをまた圧着・成型する、というものなのだ。そのままただフライパンで焼いてもおいしいし、韓国では「ブデ(部隊)チゲ」という鍋料理に入れたりもする。いい出しがでるのだ。ずいぶん前に買った物だが、二度の引越しを経ながらまだ家にあったので、今回はこれを使ってみることにした。

でもそれだけだとちょっと肉々しいだろうと思うので、滋味派の野菜代表として、大根。これをあわせて入れてみる。

作り方は、超簡単。スパムはまず、縦でも横でもいいから7ミリくらいの幅に切って、それをさらに7ミリ角のさいの目にする。大根も、7ミリくらいの輪切りにして、皮をむき、やはり7ミリのさいの目。まあ何ミリでも好きで良いのだが。これを前の晩から3.5カップの水に浸してある、0.5カップの米の入った鍋にいれ、初めは中火、沸騰したら鍋の底から大きく混ぜ、あくを取り、とろ火にして20分。鍋のふたは吹きこぼれないよう隙間をあけ、時々あくを取る。火を止めるまえに塩でうすく味をつけ、かき混ぜて、ふたをして5分蒸らす。器にあけ、びん詰めの味付きザーサイをトッピングして、召し上がれ。

お粥に味を付ける場合は、白粥に比べると炊く時間をちょっと短めにして、きっちり汁を残さないとおいしくない。

スパムはどこでも売っているという訳ではなく、僕は名古屋の東急ハンズで買ったのだが、広島ではまだどこで売っているか、確認していない。

上の分量は僕の朝食一人前だが、お粥は腹持ちの割には分量がふくれるので、一度に全量は器にあけず、少なめによそっておかわりするようにする。

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