2008-08-06

広島つけ麺 冷めん家


最近は広島名物の一つと言われるようになっている、「広島つけ麺」。このあいだけっこう人気と言われる店に行って食べたのだが、おいしいはおいしかったのだが、つけ麺自体が初体験だったこともあり、広島つけ麺というものがイマイチ捉えきれなかったところがあった。そこでそれから広島つけ麺の元祖と呼ばれる新華園という店にいき、さらに今回、そこで修行した人が出した店である、この冷めん家に来てみた。


冷麺普通盛900円。1.5玉分なので、これで十分お腹一杯になる。新華園で大盛りを頼んだら、死にそうになった。

ゆでて冷やしたちょっと太めの麺に、ゆでキャベツ、千切りきゅうり、白髪ネギ(と言っても、青ネギを使っているので緑色なんだけど)、チャーシューが乗っている。これをラー油とゴマの入った辛い醤油ダレにつけて食べるのは、ばくだん屋と同じ。ただばくだん屋がタレを和風に仕立ててあって、梅の味もするのにたいして、こちらはあくまで中華風。鶏がら出しに酢醤油、という感じの味だった。

夏場はそばや冷麦感覚でするする入り、 ピリ辛味がまた刺激的でおいしいとは思うのだが、このつけ麺という食べ物自体が、いまだによく分からないのだ。

ラーメンの本場中国には、つけ麺はあるのだろうか?よく分からないが、たぶんなくて、日本で独自に開発されたものなのだろう。やはり日本人は、ざるそばみたいに麺をつるつるっとやりたいという、根深い欲求があるのだろう。首都圏のつけ麺は温かいタレにつけて食べるそうだが、広島つけ麺のタレは冷たい。雰囲気としては冷やし中華に近い。冷やし中華のタレだけ別にした、という感じだ。冷やし中華も日本で開発されたそうである。

ぼくの考えでは、冷たい麺をつるつるっとやりたいのなら、ラーメンでなくて、そばとかそうめん、冷麦、うどん、などのほうがおいしいのではないかと思うのだ。ラーメンの麺は、冷やすとどうもモソモソして、イマイチなんじゃないかと思う。でも世の中には、どうしても冷たいラーメンをつるつるっとやりたい、という人もいるわけで、そういう人たちのために、冷やし中華や広島風つけ麺というものが、工夫に工夫を重ねて開発された、というところなのじゃないかという気がする。ちょっとマニア向けの食べ物なのじゃないかと思うのだ。

広島というのは、どちらかというとスープを重視せず、ソース中心の文化なのではないかと思う。お好み焼きというのがだいたいソース食品だし、片や広島ラーメンはあんなにおいしいのに、イマイチ大成しない。 広島風つけ麺というのは、そういうソース文化におけるラーメンの発展の一つの形なのかな、という気がする。

広島には「汁なし担担麺」というものの有名店もあって、まぁ担担麺というものがもともと、汁はなかったところに、日本向けにアレンジする過程で汁が加わったのだそうだが、広島にはその汁なし担担麺の専門店がある。これもソース重視の広島らしい食べ物と言えるかもしれないが、今度はこちらにも行ってみたいと思う。

冷めん屋 (麺類(その他) / )
★★★☆☆ 3.0

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