2013-01-10

やはり粕汁は紅鮭が一番。
「紅鮭の粕汁」

今日の晩酌は、紅鮭の粕汁。



魚屋の若奥さんが、

「粕汁は、豚肉もいいんだけど、やっぱり紅鮭が一番ですよね」

と言っていたことがあり、「なるほどなるほど」と思って聞いていたのけれど、今回はじめて、その意味がはっきりわかった。

豚肉の粕汁と、紅鮭の粕汁とは、同じ粕汁でもまったく別のものなのである。



粕汁は、みそ汁とか吸い物とか同じような、「味付け」の1つとしても捉えられる。

みそ汁はみそで、吸い物はしょうゆで味付けするように、酒粕で味付けするというわけだから、中に入れる具は何でもいい。

定番の豚肉や紅鮭はもちろん、ブリやタラなどを使ってもうまい。

ぼくも今までは粕汁をそのように理解し、豚肉の粕汁と紅鮭の粕汁とのあいだに、特に区別を設けていなかった。



しかし「調味料としての酒粕」を考えたとき、実はみそやしょうゆとはちがう、酒粕ならではの大きな特徴がある。

「塩気がしない」ことである。

だから粕汁を作るとき、ふつうは酒粕の他に、みそやうすくちしょうゆなど塩味のするものを入れる。

京都の家庭では、豚汁を作ったとき、あまった豚汁に酒粕をくわえて味を変え、翌日のおかずにすることもあると聞いた。



ところが粕汁の具に紅鮭を使ったときだけは、話がちがってくる。

紅鮭は塩鮭だから、塩気がある。だから粕汁の具にするときは、汁に塩分をくわえる必要がない。

そうすると、紅鮭の粕汁を食べるときには、まず塩気のある紅鮭をかじり、そのあと、あまり塩気がしない大根やニンジンなどの具をかじり、さらにやはりあまり塩気のしない、汁をすするということになる。

豚肉の粕汁など、汁に塩気を付けるものとは、設定がまったく逆になっているのである。



これが、非常にいい。

紅鮭の塩気をその他の具や汁がうすめ、塩気の刺激を癒すようになっているから、汁が全体として、まろやかな、やさしいものに感じられる。

刺激のある紅鮭が入ることで、汁は逆に、いかにも京都の人が好きそうな、ほっこりとした味になるのである。






というわけで、紅鮭の粕汁を作るには、紅鮭のあらが用意できれば一番いいけれど、紅鮭の切り身でもいいし、紅鮭でなく、塩鮭であれば何でもいい。

あとは拍子木に切った大根とニンジン、油揚げと、小口切りにした青ねぎ。
5センチ角くらいのだし昆布に、大きくひとつかみの削りぶし、水3カップ、酒粕1/2カップくらい。



まずはだしを取る。


だし昆布と削りぶしを入れた水を中火にかけ、沸騰したら弱火に落とし、アクをとりながら3分くらい煮て、ザルに敷いたペーパータオルでだしをこし取る。



このだしで、食べやすい大きさに切った紅鮭と、大根、ニンジン、油揚げを煮る。



煮ている途中で、鍋のだしを少しとり、酒粕を溶かしのばしておく。



大根がやわらかくなったら、のばしておいた酒粕を入れる。


さらに2~3分煮れば出来あがり。



器によそって、青ねぎをふる。









昨日はブログを書き終わったら、やはり予想通り、その足で店へ行き、財布を購入。



早速使い始めている。



ところが何と、この財布を買った直後に、予期しなかった臨時収入が・・・。



「『お金が貯まる』は本当だったね。」


びっくりだな。