2013-08-26

スピナーズのバーテンコウイチ君と政治の話をして、
ぼくも改めて色々考えさせられたのである。

昨日は晩酌前にスピナーズへ行き、バーテンのコウイチ君と、あれこれ話をした。

四条大宮 スピナーズ バーテン コウイチ君

政治の話にもなり、ぼくも改めて、色々考えさせられたのである。



いつも行く四条大宮のバー「スピナーズ」へは、開店直後へ行ったため、
お客はまだぼく一人だった。
日曜はマスターのキム君はお休みで、バーテンのコウイチ君が店を開けている。

コウイチ君は8月一杯でスピナーズを辞め、
次なる人生のステージへステップアップしようとしている。

「コウイチ君とゆっくり話せるのも今日が最後かもしれない・・・」

そう思ったぼくは、他には誰もいなかったけれど、腰を落ち着けることにした。



コウイチ君は、スマホを機種変したと言って、嬉しげに触っている。

「前のスマホはもう使えなくなってしまったの?」

ぼくが聞くと、

「普通に使えはするんですが、電源のコネクタがおかしくなってしまって、
修理するより買ったほうが安いと言われたんですよ・・・」

とのこと。

修理するより買うほうが安いとは、おかしな時代になったものだ。



コウイチ君はまだ20代だから、あれこれ前向きに吸収しようと頑張っている。

「高野さんは、ニュースとか、どうやって見ているんですか。」

コウイチ君は、以前までは政治にはまったく関心がなく、
選挙へも行ったことがなかったのだけれど、
スピナーズで年上のお客さんと話すうち、「それではいけない」と思うようになり、
前回の参院選では、初めて投票に行ったのだそうだ。

自分でもニュースなどを見て勉強しなければならないと思うけれど、
例えば福島の状況などにしてみても、「どうも今一つ、よく分からない」と言う。



ぼくはコウイチ君に、自分が見ているニュースサイトをいくつか教えたのだけれど、
ニュースで事実だけを見ていても、その事実が何を意味するのかは、
素人にはなかなか分からない。

といってテレビや新聞の解説は、多くは事実を直視せず、
政府の意向に沿ったものに、今やなってしまっている。

「誰か『この人は信用できる』という専門家を見つけ、
その人の解説を、同時に見るようにするといいんだけどね・・・」

ぼくは、「コウイチ君には少し難しいかな」とは思いながらも、
ツイッターで「金子勝」をフォローするように勧めた。

「この人は、ぼくがもう何年も発言を見ていて、専門家の中では唯一ともいえる程、
信用している人だから・・・」

難しくても、見ないよりは見た方がいいに決っているのである。



コウイチ君は、福島の状況についても心配しているのだけれど、それはもっともだ。

福島の原発事故は、原因の究明も、責任の追求もされず、
きちんとした対策も取られぬまま、原発の再稼働、さらには輸出まで
されようとしている。

そのおかげで第一原発からは汚染水が大量に漏れだし、
また福島では、子供の甲状腺がんが増えている。

政財官学の中枢が、「自分たちの利益を守る」ことのみを考え、
「本来されなければならないこと」は抹殺される。

やられ放題になっている国民は、ところが多くはそれに気づかず、
自民党は選挙で大勝、憲法を改正して軍事大国を目指そうとまでしている。

これから先、日本は下がる一方だとしか、ぼくには到底思えない・・・。



「それを防ぐためには、どうしたらいいんでしょうね?」

老い先がそう長くはないぼくは、「下がる一方」で片付けられても、
これから人生を歩まなければいけないコウイチ君にとっては、
日本の行く末は切実な問題だ。

「関心をもつこと・・・、それから選挙へ行くことかな・・・」

今は野党が分裂し、民主党の政権交代の時のように対案がないから、
「どうしたらよいか」が分かりにくい。
しかも民主党もあのような形で崩壊してしまったから、
若い人が政治に関心がなくなる気持ちも分かる。

日本の未来にはっきりとした希望が持てない今、
そこに関心を持つことには、かなりの努力が必要だ。
でもそれを今、放棄してしまったら、日本には本当に未来がなくなる。



「ぼくは頑張って、関心を持ち続けますよ。」

コウイチ君は、真顔で言った。

「それでぼくの友達にも、きちんと選挙へ行くように勧めます。
そうやって30人でも50人でも、選挙へ行く人が増えてくれれば、
日本は変わるかもしれないですよね・・・」



たしかにそうだ。

そういう小さな所からしか、日本を変えていくことは出来ないのかもしれない。



「おっさんも、頑張らなくちゃ。」

チェブラーシカのチェブ夫

そうだよな、あきらめちゃいけないな。



金子勝ツイッターアカウント ⇒ @masaru_kaneko