2013-07-27

ツナ缶とキュウリの炊き混ぜご飯

今日のおっさんひとり飯は・・・。

ツナとキュウリの炊き混ぜご飯

ツナ缶とキュウリの炊き混ぜご飯。



四条大宮[酒房京子]の女将京子さんは独特の商売のやり方をする人で、
まず店にメニューがない。
メニューがないから注文もできないわけだが、もし希望があれば、
「今日はお腹が減ってるから」とか、
「もう食べてきたから軽く」とか、
あらかじめ言っておくようにすれば、その希望に沿ったものを出してくれる。

酒を飲みながら待っていると、食べ物が勝手に出てくるわけだが、
京子さんは基本的に仕込みはせず、
もちろん時間がかかる物は仕込んである場合もあるが、
だいたいは「お客さんの顔を見てから出すものを考える」のだそうだ。
京子さんは手早くて、けっこう手が込んだ料理でも、
あっという間に出してくれる。

お勘定の計算法も独特で、いちおう計算する素振りは見せるのだが、
かならず2千円とか3千円とか、ちょっきりとキリのいい額になっている。
年齢によって値段を変えているフシもあり、
若者が行くとどんなに飲み食いし、カラオケまで歌っても、
3千円を超えることはないとも言われている。

大雑把といえば大雑把なのだが、それで文句をいう人もなく、
お客さんに愛されているというのだから、問題はないのである。



京子さんはその時々で、「作りたい物」のマイブームがあるようで、
出てくるものは行くたびに、全く違うものが出てくる。
ぼくもこれまで京子に20回以上は行っていると思うのだが、
同じメニューが出てきたことは、ただの一度もない。

最近は炊き込みご飯に凝っているようで、
「ご飯が上手に炊けるようになったのよ」と嬉しげに言いながら、
あれやこれやの炊き込みご飯を出してくれる。

京子さんの料理は、おいしいのはもちろんのこと、作るのが簡単で、
さらに食材の組み合わせや薬味の使い方、食べ方など、
ぼくにとっては意表を突かれる物が多く、
「これが京都のやり方なのか」と思いながら、
行くたびに参考にし、真似させてもらっている。

おとといのナスとキュウリのご飯、サバ缶のご飯もとても美味しかったので、
昨日は家にあったものを使い、この2つを合体して、
「ツナ缶とキュウリの炊き混ぜご飯」を作ってみた。



鍋にだし昆布を敷き、研いでザルに15分ほど上げておいた米1カップ、
汁ごとのツナ缶、刻んだ油揚げ、ささがきにして水にさらしたゴボウ、
水1カップ、酒とみりん、うすくち醤油をそれぞれ大さじ1、塩小さじ1/2を入れ、
フタをして、中火にかける。

ツナ缶とキュウリの炊き混ぜご飯の作り方(1)

湯気が勢いよく出てくるようになったら弱火にして10分、
さらに火を弱めて5分炊き、火を止めて5分蒸らす。

ご飯を炊いている間に、薄い小口切りにしたキュウリを
一つまみの塩で揉み、10分ほどおいて水気を拭いておく。
みょうがをたっぷり薄切りにしておく。

ツナ缶とキュウリの炊き混ぜご飯

キュウリとみょうがを、蒸らし終わったご飯に混ぜ込む。

茶碗によそい、指でひねり潰したゴマを振る。

ツナ缶とキュウリの炊き混ぜご飯

ツナ缶のコクと、キュウリとみょうがのあっさり感が、大変いい。

2杯めは、氷水をかけ、わさびを落として食べる。

ツナ缶とキュウリの炊き混ぜご飯

これはさっぱりして、本当にうまい。

炊き込みご飯に氷水とわさびを入れて、お茶漬けのようにして食べるのは、
京子さんの所で初めて見たやり方なのだが、
これはほんとに手軽で、夏の暑い時には打ってつけの、
天才的な食べ方だと思う。



昨日はあとは、これは定番料理だが、
トマトと卵、ソーセージの炒め物も作った。

トマトと卵、ソーセージの炒め物

卵はあらかじめ、多めのオリーブオイルで大きめにまとめて焼いておく。
改めてオリーブオイル少々でソーセージを炒め、
くし切りにしたトマトを加えて、しんなりしたら卵を戻し入れ、
砂糖小さじ1、酒とうすくち醤油大さじ1で味付けし、
片栗粉小さじ1と水小さじ2の水溶き片栗粉でトロミをつける。

トマトと卵の相性は実に良く、
これはご飯に乗せてもうまいのではないかと思う。



昨日は晩酌前にスピナーズへ出かけ、カウンターで隣り合わせた
竹野内豊似の男性と、酒と煙草の話になった。

ぼくは食べ物については、
「お腹が減ったら、減った分だけ食べる」
ようにすることができ、食べ過ぎることはあまりない。
ところが酒と煙草については、どうしても、
飲み過ぎ、吸い過ぎることになってしまう。

そんな話をしていたら、竹野内豊似の男性は、
「ぼくもそうなんですよ。でも煙草って、高野さんライターだったら、
物を書くとき吸いたくならないですか?」
と聞く。
たしかにその通りで、ぼくは物を書いている時、
特に書く物のアイディアが浮かぶまでの間に、
どうしても煙草をスパスパ吸ってしまうことになっている。

「ぼくもデザインの仕事をしているので、同じなんですよ。
アイディアを出し合うためのミーティングなどでも、
煙草なしだと本当にキツイんですよね。」
竹野内豊はうなずき、さらに続ける。

「それから酒は、精神を解放することで、
人とのコミュニケーションを円滑にするところがありますよね。」
それはまさにその通りで、ぼくは人と話して楽しくなると、
酒の量が加速してしまうところがある。

「煙草と酒はそうやって、人間の精神活動と
つながってしまっているところがあるから、
なかなかやめられないんじゃないかという気がするんですよ・・・」

なるほど、言われてみればたしかにその通りだ。
だからぼくは食事と違い、煙草や酒を吸い過ぎ、飲み過ぎてしまうのか・・・。



「それただの言い訳だから。」

チェブラーシカのチェブ夫

そうだよな。