2013-01-05

四条大宮はしご酒

名古屋の友達が京都へ来て、一緒に飲むことになった。

男同士だから小洒落た店へ行く必要もなし、四条大宮のディープな店をはしご酒することにした。




京都の繁華街の中ではかなりアクが強いと思われる四条大宮の中でも、ひときわディープなエリアが、ここ「寛游園」。
間口の狭い、平屋の飲み屋がびっしりと軒をならべ、いかにも「昭和の飲み屋街」といった趣き。

今にも菅原文太や梅宮辰夫が店から飛び出してきそうだけれど、寛游園ではヤクザは見たことないから心配ない。




寛游園には、それこそアクが強いママがやっているスナックや居酒屋が色々ある。
その中で、友人を案内することにしたのは「きょうこ」。

ぼくは2年ほど前に1度行ったきりだが、このごろ四条大宮の色んな店でこの店の噂を耳にするようになり、また行ってみないといけないと思っていた。




びっくりしたのは京子さん、2年前に1度きりしか行ったことがないぼくのことを覚えていた。

「あのとき生節を初めて食べはりましたよね。本を書きたいと言っていたのはどうなりました?」

と食べたものや話した内容まで覚えていたのには、驚きを通りこして脱帽。




この店にはメニューがない。
それどころか、あらかじめ仕込みが必要な煮物などは別として、何を作るか決めてもいないそうだ。

お客の顔を見て、それから出すものを考えるとのこと。

「『腹が減った』と話していたら、京子さんが米を研ぎだした」という話も聞いたことがある。



「私は料理が下手で・・・」と謙遜する京子さんだが、出されるものはどれもうまい。
棒ダラは10日かけて、自分で戻すのだそうだ。

油揚げを買う店にもこだわり、あら炊きの味加減も濃すぎず薄すぎずで絶妙。




初めはポン酢で食べる湯豆腐を、途中でトロロ昆布としょうゆに刻みネギを足し、味を変えてくれる。

トロロ昆布の湯豆腐は初めて食べたけれど、これがまた、ウマイ。



男2人でビールを2本、お酒4合、アテもたっぷりと出て、お勘定は1人あたり2,500円。

さらにここは、カラオケを存分に歌いまくっても、3,000円で収まるそうだ。




きょうこを出たら、斜向いにある「Kaju」へ。
ここはぼくのホームグラウンドだから、当然行かなくてはいけない。




Kajuはバーだが、アテもうまい。
キムチはマスターの手作り。たこ焼きもその場で焼いてくれる。




飲み物も、エッジがきいたのが色々ある。

これは「赤ぶどう酒」。
防腐剤なしの出来立てで、ジュースかと思うような味がする。



というわけで腹も膨らみ、気分も良くなってきたところで「スピナーズ」へ。

スピナーズは大宮通をずっと上がり、蛸薬師通を過ぎたあたりにある。




スピナーズはショットバーで、カウンターのお客さん同士が親しく話すことに特徴がある。

友達も常連さんの話に加わり、心置きない時間をすごす。



いつも話が盛り上がり、気付いたら朝になってしまうスピナーズだけれど、今日はスタートが早かったから、わりと早めに終了。

「餃子の王将」でシメることにした。





四条大宮にある餃子の王将は1号店で、餃子の王将の歴史はここから始まった。

朝の8時頃までやっているから、深酒のあとで行くのにちょうどいい。



「餃子の王将へ行ったらこれを頼め」とスピナーズで教えられたのが、これ・・・。


「三谷焼き」と注文すると出てくる。
「三谷さん」という人が長年にわたって繰り返し注文したために、メニューの呼び名として通用するようになったようだ。

ただ餃子の王将の側としては、これを「三谷焼き」と呼ばれることは本意ではないようで、「両面よく焼きですね」と、こちらが「三谷焼き」と言うたびに言い直していた。




昨日はずいぶん飲んだから、このラーメンを食べたところから記憶がない。

友達がどうやって帰ったかも覚えていない。





「ちゃんとお金は払ったの?」


電話で聞いたら大丈夫だったみたいだよ。