2012-12-28

ハマグリのだしは最高。
「ハマグリの湯豆腐」

今日の晩酌は・・・。
ハマグリの湯豆腐。
ハマグリのだしは、鯛とならんで日本人には最高の味。
これが豆腐にしみ込んだのは、たまらない。

ハマグリのだしは豆腐にゆっくりしみ込ませたいけれど、ハマグリ自体は煮すぎると縮んで固くなるから、のんびりと時間をかけて鍋をつつくためには段取りを少し工夫する。





まずハマグリのだしをとる。
鍋にたっぷりの水と5センチ角くらいのだし昆布、砂出ししてよく洗ったハマグリを入れ、中火にかける。
沸騰したら弱火にし、アクをとりながらハマグリの殻が全部ひらくまで煮て、だしがとれたところで昆布とハマグリをとり出す。





このだしに豆腐を入れ、鍋を卓上へ運ぶ。
大さじ3~4の日本酒も加えておく。





他の肴も用意して、鍋をつつきながらゆっくり飲む。
豆腐は煮立てると固くなるから、沸騰するかしないかくらいの火加減を保つようにする。





別皿に用意したハマグリと春菊を、1回に食べる分だけ煮る。
ハマグリは火が通っているから、ほんとに温めるだけ。





タレはしょうゆに削りぶしを、鍋のだしで割る。
残り汁はタレで割って飲んでもいいし、うすくちしょうゆと塩で味つけしてうどんや雑炊を煮てもいい。










東京へ行った和久井映見とは、選挙の前までは連絡がついていた。
まだ京都にいると思っていたぼくに、仕事の準備で東京にいると告げ、今週は選挙だから、東京へは帰れないと言った。

京都のマンスリーマンションは12月一杯は借りていて、荷物もまだ少し残してあるが、その荷物は管理人に始末してもらうこともできるとのことだった。



選挙の翌週は、クリスマスの3連休。そのあとはお正月。
そこに仕事が入ることはあり得ないから、ぼくはここでは、和久井映見は京都にもどるはずだと思っていた。

ところが待てど暮らせど連絡がない。

そこで連休初日、電話を入れてみた。
電話はいつもの通り、呼び出し音を2回鳴らし、留守番電話に切り替わる。

電話を切ったぼくはその日1日待ってみたが、かかってくるはずの折り返しは来なかった。



翌日は、留守番電話に「折り返しをください」と入れてみた。
でもその日1日、折り返しは来なかった。



ぼくはここで、何かが起こったことを悟った。

「彼女は迷っている・・・」

生まれ育った東京へもどってみると、やはりそちらが居心地がいい。
京都での出来事は、夢だったかのように感じられる・・・。



そこでぼくは、彼女に直球を投げることにした。
翌日、留守番電話にさわやかな口調で、

「年末と年始、都合がつくようなら京都へ帰ってきてください」

とメッセージを残した。

しかしその日も、その翌日も、その翌々日も、今にいたるまで、折り返しは来ていない。



ぼくは、和久井映見が折り返しをしない理由をあれこれと考える。
このまま連絡を絶ち、音信不通になるつもりかとも考えた。

でもそれなら、着信拒否にでもすれば簡単なはずなのに、和久井映見の携帯電話には今でも着信はできるようになっている。

それに和久井映見は、ぼくの家の鍵をまだ持っている。
住所を知らない和久井映見が鍵を送り返すには、ぼくと連絡をとらなければならないから、常識のある和久井映見が、鍵をそのままにしてぼくと音信不通になることは考えにくいと思った。



次に和久井映見は、何かを怒っているのかと考えた。

でも和久井映見が怒る理由が思いつかない。
あるとすれば、ぼくがブログに和久井映見について書いた内容が気に食わなかったことだけれど、そんなことでここまで連絡がとれないことは考えられないし、第一和久井映見は、おそらくぼくのブログを見ていない。



そして最後に考え至ったことが、

「和久井映見は、ぼくに『やっぱり無理だ』ということを悟らせようとしている」

ということだった。

東京へもど





といつものカフェで、ここまで書いたとき、パソコンに向かうぼくの肩をたたく人があった。

顔を上げ、その人の顔を見ると・・・。



和久井映見だった・・・。



和久井映見は、残していた荷物をとりに、京都にもどって来たとのこと。

べつに変わったことはなく、電話に出られなかったのは、携帯を修理に出しているからだそうだ。



「修理に出すなら出すで、ひとこと言ってよ。」

「ああ、ごめん。」





「結局ひとりで堂々めぐりしてたってこと?」
お恥ずかしい。