2012-12-10

大根煮、ワカメ炒め。それに少し、選挙のこと

今日の晩酌は・・・。
出版記念パーティーでもらった聖護院大根がある。大根もいろいろな食べ方があるけれど、大根そのものの味を味わおうと思ったら、まずはやってみたいのは池波正太郎「そうざい料理帖」に出てくる食べ方。大根を昆布だしで煮て、しょうゆで食べる。大根を煮ているあいだは、ちょっとした肴で酒を飲む。





大根は分厚く切って皮をむき、だし昆布をひいた鍋に入れてたっぷりの水を張る。
中火にかけて、沸騰したら昆布をとり出し、コップ半分ほどの酒を入れ、弱火でコトコト30~40分くらい煮る。





煮ているあいだにつまむのは、ワカメ炒め、ゆでガキのポン酢、厚揚げ焼き。






大根が煮上がる少し前に、塩ひとつまみを入れる。






しょうゆをたらして食べる。






大根の滋味が口いっぱいに広がって、これはうまいわ。






ワカメ炒めは向田邦子のレシピより。
ワカメを炒めるとはちょっと意外だけれども、ちょっとふりかけ的な味になり、酒の肴にいいのはもちろん、ご飯のおかずにもなると思う。





ワカメは何でもいいけれど、湯通しした生ワカメが一番うまいし、作るのもラク。
乾燥ワカメならかために戻してから使う。





フライパンを中火にかけ、ゴマ油とサラダ油それぞれ大さじ1くらいを入れ、ざく切りにしたワカメを2~3分、じっくり炒める。
この時すごく油ハネするから、フライパンのフタでガードしながらやるといい。





削りぶしひとつまみを入れ、しょうゆをまわし入れて味つけする。






ゆでガキは、くれぐれもゆですぎないのがポイント。
沸騰した湯に入れたら10秒くらいで引き上げて、すぐ水にさらして余熱をとる。大根おろしに青ねぎ、一味唐辛子とポン酢をかける。











今度の日曜はいよいよ選挙。

今回の選挙は日本の進路を決める大事なものになると思うから、
何としても行かないといけないと思っているけれど、
立候補者の顔ぶれを見ると、入れたくなる人がいない。

でも今回の選挙の結果一つで、
日本が明るい未来に向かって進むなどということはあるわけがないのだから、
せめて最悪の方向に進まないよう票を投じることが、
できる精一杯なのかなとも思う。



今回は、「脱原発」が1つの争点になっている。

政治的なスローガンは何でもそうだけれど、
「脱原発」を唱える人にも様々な考え方がある。

「何が何でも原発は即時廃止」と主張する人もいるけれど、
多くの人は、原発はもちろんないほうがいいけれど、
国民がきちんと生活していくことも大事なのだから、
原発なしで日本の経済が成り立つのかをきちんと考えないといけないと
思っているのではないか。

ぼくも原発については、大体そういう風に思っている。



原発と経済の問題については、経済界などを中心に、
「原発なしでは日本の経済は成り立たない」
と主張する声が多い。

工場などへ安定的に電力を供給することは、
風力や太陽光などの再生可能エネルギーでは不安定で無理だから、
やはり原発が必要だとなる。

大勢からそう言われてしまうと、
「そういうものなのか」と思わないこともない。

実際世論調査をしても、「脱原発」には過半数が賛成するのに、
「政権の枠組み」を問われると、
原発を推進する「自公民の大連立」と答える人が増えるのだという。



そういう中で、今後の日本を考えるための1つのヒントとして、
経済学者 金子勝氏の主張は耳を傾けるに値すると思っている。

金子氏は、

「日本が原発に固執するのは世界的に見て時代遅れで、
太平洋戦争の敗戦前に、世界が機動力にすぐれる戦闘機と空母にシフトしたのに、
あくまで戦艦に固執して戦艦大和を造ったのとそっくりだ」

という。



アメリカを筆頭として世界の潮流は、これまでの「集中型システム」から、
コンピュータを活用した「分散型システム」へ移行しようとしている。

集中型システムの代表例であるスーパーマーケットが、
映画館やレストランなどが入った巨大施設で集客しようとしても、
低成長時代の現在では行き詰まりが見えてきている。

それに対してコンビニは、個々の店舗は小規模ながら、
分散型のコンピュータシステムをフルに活用して在庫管理をすることで、
堅調に利益を上げている。



発電所もそれと同じで、集中型の原子力発電所は、
送電ロスが大きいし、いったん事故が起こるとシステム全体を麻痺させて、
リスクもあまりにも大きい。

それに対して再生可能エネルギーを利用した発電所は、
個々の発電所は小規模で不安定でも、
分散型コンピュータシステムを活用した「スマートグリッド」でつなぐことで、
効率的に送電することが可能になる。



スマートグリッドの開発に、世界は舵を切っており、
実際その開発にともなう経済効果は巨大なものになる。

日本がそこに踏み出せないまま原発に固執してしまうと、
「失われた20年」が「失われた30年」になり、
日本は決定的に「ガラパゴス化」してしまうことになると、金子氏は言う。



経済界の言うことと、金子氏の言うことのどちらが正しいのか、
素人にはわかりにくい。

実際この間の原発事故をきっかけとして、「専門家」と呼ばれる人たちが、
自分の利益のためにいかに嘘をつくかを、ぼくたちは数多く目撃してきた。

ただぼくはこの2年ほど、金子氏のツイートをずっと見て、
また著書も2冊ほど読み、
「この人は、つくづく私欲のない人だ」
と感じている。





「選挙は行くのが大事だね。」
そうそう、入れるのは誰でもいいよな。





金子勝ブログ「地域分散ネットワーク型のシステムへ――総選挙に問う(1)」

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