2012-06-28

ナスと厚揚げの煮物


今日の晩酌。

肴はナスと厚揚げの煮物、あさりのぬたとあさりの吸物、きゅうりの塩漬けと、農家のおばちゃんから買った大根のぬか漬け。



ナスと厚揚げの煮物。

ナスはどうやって料理をしてもうまいけれども、油を使うと、トロトロになってまたうまい。

揚げるのが普通だけれど、家で揚げ物をしたくない場合には、多めの油で炒めるようにしても十分おいしくできる。



大きめに切ったナスを塩水に浸け、油を吸い込み過ぎないようにしておく。

フライパンを中火にかけ、多めのサラダ油とゴマ油少々を熱し、ナスを入れる。

フタをして、時々箸でひっくり返しながら、じっくり火を通す。

ナスがやわらかくなったら厚揚げを加え、ひたひた加減の出しを入れ、酒とみりん、うすくちしょうゆで味を付け、落としブタをして中火で10分くらい煮る。

煮上がったらしばらくそのまま汁に浸し、味をしみ込ませる。







あさりも和洋中いろいろに使えるけれども、むき身にし、ぬたにするのもおいしい食べ方の1つ。

むき身にする時できる、あさりの出しがたっぷり出た煮汁は、もちろんムダにせず吸物にする。



あさりは海水くらいの塩水に1時間ほどつけ砂出しし、殻をこすり合わせてよく洗う。

沸かした水に、4センチ長さほどに切った青ねぎ2~3本の、まず根本の白い部分、つづいて青いところを入れ、ほんの10秒ほどゆでたらザルに上げる。

あさりが200グラムなら、400ccほどの水に入れ、火にかけアクを取りながら、あさりの口が全部ひらくのを待つ。

あさりの口がひらいたら、吸物用に4~5個をのこして引き上げて、殻をはずしてむき身にする。

白味噌に、みりんと酢をすこしずつ加えながら好みの味に調整し、最後にからしをほんのちょっと入れ、からし酢味噌をつくる。

あさりと青ねぎを混ぜ、食べる直前にからし酢味噌をかける。




あさりの出しは、酒大さじ1にうすくちしょうゆ小さじ1、あとは塩で味加減をして、トロロ昆布を添える。







酒は焼酎水割り。







今日はまず1軒目に、鉄板焼屋へはいった。

縄のれんをくぐり、目の前で鉄板を焼いている店長のお兄ちゃんに挨拶し、前のカウンター席にすわる。

鉄板焼屋のお客さんは、カウンター席でも、ほかのお客さんと会話することを目的に来ている人はすくないけれど、お兄ちゃんが鉄板を焼くのを眺めたり、お兄ちゃんとすこし話したり、かかっているテレビを見たり、店内のほかのお客さんの様子を観察したりしながら、ちびちびと酒を飲むのは居心地がいい。

お兄ちゃんは、この鉄板焼屋で働きはじめてからまだ2年くらいだというけれど、鉄板の焼き方は堂に入ったもので、コテを器用にあつかいながら、お好み焼きやら玉子焼きやらトマトやナスを焼いたのやらが出来上っていく様子を見るのはたのしい。



奥のテーブル席には、ちょくちょく見かける中国人留学生の女の子が、やはり中国人留学生の女の子2人、それに男性2人と来ているのがみえる。

男性2人は、初めは以前のように近くのテーブルから乱入したのかとおもったけれど、よくよく見ていると大学の同級生らしい。

料理やらお酒やらをテーブルに山積みにして、にぎやかに話している。



女の子が就職活動をしているのを、以前店にきたとき話を聞いて知っている僕は、お兄ちゃんにきいてみた。

「あの子は、就職は決まったのかな」

「まだ決まっていないけど、とりあえず卒業しよう、ってことなんじゃないっすか・・・」

日本人の大学生でも、就職はむずかしい時代なのだし、中国人ともなると厳しいものがあるのだろう。

やがて中国人5人は、注文したテキーラを一斉にあおり、意気揚々と店をあとにしていった。



鉄板前のすこし離れたところに、若いカップルがすわっている。

女の子は見たところ20歳そこそこ、大学生のようで、お人形さんのような可愛らしい顔をしている。

男性も、女の子と同年代にみえる。



お兄ちゃんが、店を何度か訪れているらしい女の子に話しかける。

「2人は同級生なの」

「先輩なんですよ・・・」

女の子は21歳、男性は10歳も年上だそうだ。

深夜の1時すぎに男性と酒を飲む女の子は、地方から出てきて1人で暮らしているのだろう。

「まったく親の気も知らないで・・・」

僕はおもうけれども、話にははいらず、だまって酒を飲む。



やがて酒を飲み終わり、お勘定をした僕は、時々行くバーへむかった。

「美人の奥さんの顔を見にいこう・・・」

僕とおなじ年の、やはりバツイチだったマスターは最近、熊田曜子似の若くて美人の奥さんをもらった。

美人の顔は、見るだけで価値があると僕はおもう。



バーへ行くと、カウンターの一番手前にすわった僕のところへ、奥さんは早速きて話の相手をしてくれる。

以前来たとき、僕が名古屋の話をしていたのを奥さんはよくおぼえていて、しばらく名古屋メシの話で盛り上がる。

京都出身の奥さんだが、名古屋の甘い味噌カツが好きで、タレをお取り寄せしたりもするのだそうだ。



しかしこのバーは、カウンターが横に長くのびる構造上の理由だろう、奥さんが立ち去り1人になると、間が持たなくなってしまう。

2席へだてた向こうには、常連さんの男性3人組がいたけれど、どうも話にはいる気がしない。

さらにその向こうには、若い女性2人客がすわっていたけれど、遠すぎて話はできない。

奥さんのきれいな顔を、たっぷりと見ながら話をし、目的を達した僕は、早めに酒を飲み干して、お勘定をして店をでた。



僕が店をでると、入れ替わりに女性が入っていった。

見たところ40歳くらいの、メガネをかけた知的な美人。

僕がまだもし店にいれば、空いている席は僕の近くだけだった。

でももちろん、今から店に引き返すわけにはいかないし、だいたいお金が残っていない・・・。



「もっとゆっくり飲めばよかった・・・」




僕は後ろ髪を引かれながら、家に帰って布団にはいった。