2012-06-23

砂肝とニラの炒め


今日の晩酌。

肴は、砂肝とニラの炒め、なすの塩もみ、冷奴、冷やしトマト、白菜の浅漬。



砂肝とレバーの炒め。

「疲れがたまったときにはレバニラだ・・・」

そう思ってスーパーへ行ったのに、レバーがなかったときには砂肝。



砂肝は、血抜きしなくていい。

タコ糸のような白いものが付いていれば指ではがし取り、5ミリ厚さくらいにそぎ切りする。

酒としょうゆをパラパラとふりかけ、ニンニクとショウガをおろし込み、手でもみ込んで20~30分おく。

フライパンにサラダ油を強火で熱し、片栗粉をまぶした砂肝を重ならないように並べ、こんがりと焦げ目がついたら箸でつまんでひっくり返す。

ニラを入れ、ひと混ぜしたら、しょうゆとオイスターソース各大さじ1を入れ、全体を混ぜあわせれば出来あがり。




なすの塩もみ。

タテ半分に割り、3ミリ厚さくらいに切ったなすに塩1つまみをふり手でもみ込んで、5分ほどおきよく絞る。

旬のなすは、何もかけないのが一番うまい。



酒は焼酎水割りを4杯。







僕は自分が昨日、立ち飲み屋でうまく話せなかった理由を分析する。

「会話はことばのキャッチボール」とはよく言われることだけれど、僕は今年50歳になろうとするこの年まで、会話そのものを楽しんだことがなかったのではないか・・・。



僕は子供の頃から勉強をよくするタイプで、1人であれこれ考えたり、本を読んだりするのは好きだった。

中学校のときには生徒会長をしたから演説は得意だったし、高校から大学ではバンドをやり、自分の演奏で人をよろこばせるのはわりとできるほうだった。

勤めるようになってからも「講師」をすることが多く、人前で一方的に自分が話すのは訓練されてきているのだけれど、それでは人とことばのキャッチボールをすることについて、訓練してきたかといえば、記憶にない。

僕の結婚生活が短期間で破綻したのも、それが大きな原因だったようにもおもえる・・・。



もちろん僕も、気の合う仲間と話をするのは嫌いじゃない。

しかしあくまで、それは限定された人間とだけするのであって、昨日四条大宮の立ち飲み屋で目撃したような、初対面の泥酔したおっさんとのやり取りを、手を変え品を変え楽しむような真似は、僕にはどうやったらいいのか想像もつかない。

もちろんそれは、単に「関東」と「関西」という違いではなく、僕自身の個人的な要因が大きいようにはおもうけれども、少なくとも関西には、「赤の他人と会話する」ことについて、ある「様式」があるようにも感じる。

僕が四条大宮の立ち飲み屋でお客さん同士の話し方を学ぶことは、単に飲み屋のふるまい方を知るということにとどまらず、僕がこれまでの人生で、1人で考え、話をしてきたやり方を、大きく変えることにつながるのかもしれない・・・。



そのように考えて、僕は今日も、立ち飲み屋へ行ってみることにした。



立ち飲み屋には、4人のお客さんが入っていた。

男性3人と女性が1人。

男性は友達連れで、奥にいる女性は1人で来たようだけれど、その場で知り合ったのだろう、男性客と話をしている。

僕は手前の、カウンターの角のところに立ち、酎ハイレモンを注文した。



酎ハイが届くと、隣の30代と思しき男性が、グラスを合わせ乾杯してくる。

「こんにちは、はじめまして、よろしくお願いします・・・」

「こちらこそ、よろしくお願いします・・・」

僕もグラスを合わせ、腰をかがめる。



あごに刈りそろえたヒゲを生やしたその男性とは、それから少し、話をした。

僕がフリーライターをしていると言うと、

「僕も広告代理店にいたことがあるからわかりますが、フリーライターで生活してるというのは大したものです、すごいですね・・・」

「いやそんな大したものじゃないんですが、褒めていただきありがとうございます、恐縮です・・・」

褒められたら礼を言い、謙遜するのが大事であると、僕は分析している。



やがて男性3人組みはお勘定をし店を出ていき、奥の女性1人と僕が残った。

40歳くらいだろうとおもえる、市毛良枝似のその女性に、僕は声をかけてみた。

「この店は、よくいらっしゃるんですか?」

それからしばらく、その女性と話をした。



女性は、香川県の出身だった。

讃岐うどんと、丸亀名物骨付鳥の話で盛り上がる。

それから京都のラーメンの話。

そして「飲み屋のマナー」の話になった。



女性は東京出張の機会も多く、東京の飲み屋でもよく飲んだりするそうだ。

そこでカウンターのお客さんに話しかけても、何の問題もなく答えてもらえるとのこと。

「東京は地方出身者も多いし、あまりあれこれ考えすぎずに、素直に話してみたらいいんじゃないですか、相田みつおじゃないですが、人間だもの、まっすぐ話せば気持ちは伝わると思います・・・」

「そうですね、ほんとにその通りです・・・」



やがて酎ハイを飲み終わった僕は、女性にお礼を言い、お勘定をして店を出た。



家への道を歩きながら、僕は今夜の会話をふり返る。



今夜は昨日とちがい、女性に声をかけ、話はそこそこ盛り上がったけれども、まだ「楽しい」というところまでは、いかない気がする。

もうちょっと面白いことを言ったほうがよかったのか。

それとも何かオチをつけないといけなかったか・・・。



それまた考えすぎてますから。