2012-05-24
酒の失敗。
「金目鯛の煮付け」
酒を飲むと、失敗がつきものですが、酒飲みは、あまり反省しない。
それは、「記憶をなくしてしまう」からです。
記憶があれば、それを後から思い出し、恥ずかしさに顔を赤らめる思いをして、その後の行動を悔い改めもできようものですが、そもそも記憶が無いんですから、反省のしようがない。
だから酒飲みは、酒をやめないかぎり、失敗を繰り返すことになってしまいます。
僕が初めて記憶をなくしたのは、中学3年のとき。
今はどうだかわかりませんが、当時は中学を卒業したら、酒は飲んでもいいことになっていた。
そこで仲のよい友達3人と、中学の卒業式の晩、「心ゆくまで酒を飲もうじゃないか」と友達の家に集まった。
どういう事情か、友達の1人がアパートで一人暮らしをしていて、その部屋に置かれたこたつを4人で囲み、酒をならべる。
安ウィスキー、安焼酎、安ワイン・・・。
見よう見まねで、氷で割ったり、お湯をいれたりして飲みはじめたけれど、覚えているのは、それから30分ほど。
気付いたときには自宅で寝ていて、そばには洗面器が置かれていた・・・。
飲み方も知らずに、酒を手当たり次第に飲んだ僕は、急性アルコール中毒で意識不明となり、親が呼ばれて、家まで運び込まれたらしいんです。
しかし親も酒飲みだからか、怒られることもなく、そのままそれから、酒を飲む生活がはじまりました。
大学時代、元妻と付き合いはじめたのも、きっかけは酒による記憶喪失。
サークルの合宿があり、夜の飲み会のとき、以前から目をつけていた元妻に近づき、隣で飲みはじめた。
その時も、覚えているのは初めの15分ほど。
朝起きてみたら、元妻と付き合うことになっていた・・・。
その晩、僕が何をいったのか教えてくれと、その後元妻に何度もきいたけれど、とうとう教えてもらえませんでした。
記憶をなくす確率が高いのは、酒は日本酒。
特に上等な日本酒は、水のようにスルスルと喉を通っていくため、あっという間に飲み過ぎることになってしまう。
場所は、人の家。
飲み屋のように、いちいち注文したり、お勘定したりする必要がないから、その解放感から飲み過ぎる。
記憶をなくすと、僕はそのあいだに、楽器を弾くことが多いんです。
ギターやらピアノやらをかき鳴らしながら、大声で歌っているらしい。
ある時、友達の家で飲み会をすることになりました。
公務員宿舎の小さな団地に、5~6人が集まった。
酒は日本酒、手の届くところには友達のギター・・・。
「危ない」と思う間もなく、意識は遠のいていきました。
その時は元妻もいっしょだったので、なんとか家に連れ帰られましたが、翌朝目を覚まし、前の晩のことを思い出してみると、遠い記憶の片隅に、ギターを抱え、ビートルズを歌いまくる自分の姿・・・。
その晩は、時間もずいぶん遅かったし、狭い団地の上下左右にはご近所さんが住んでいる。
さすがに迷惑だったろうと、謝罪のため友達に電話した。
そしたら友達、
「自分も心配したけれど、下の人もビートルズが好きで、
『私たちもいっしょに歌っていました』
と言ってたから、大丈夫だったよ・・・」
それ、ちっとも大丈夫じゃないって。
昨日も「三条会商店街」へ買い出しに行きました。
三条会商店街は、端から端まで歩いたら15分以上はかかるような長大な商店街で、数々の個人商店はもちろん、スーパーもあり、しかも値段も安いから、買い出しするには便利です。
その日の気分で、スーパーへ行くときと個人商店へ行くときがあるんですが、昨日は個人商店へ行きました。
まずは漬物。
上賀茂の農家のおばちゃんが、野菜やら漬物やらを軽トラックで運んできて、商店街で露店を出しています。
冬場のシーズンにはスグキを持ってくるので、いつもそれを買いますが、他の時期にもぬか漬けやら塩漬けやらがあり、どれもおいしくて安い。
昨日は「ひね漬け」という、キュウリの古漬けを買いました。
キュウリを去年の7月から10ヶ月、ただ塩に漬けたもので、強い発酵臭がする。
冷蔵庫の中に入れておけば、いつまででも腐らないとのこと。
食べるには、切ったらまず5~10分水につけ、塩出しをしてよく絞る。
あとはショウガと、醤油をちょこっとたらします。
キュウリとは思えない、非常なコクがあります。
それから魚屋。
金目鯛があったので、頭の部分をもらって、ごぼうといっしょに煮付けました。
酒と水をそれぞれカップ2分の1、醤油とみりんはカップ4分の1、砂糖大さじ1、それにショウガのうす切り1枚を入れ、アルミホイルの落としブタをして、強めの中火で10分くらい炊く。
淡白でありながら、脂ののった金目鯛は、煮付けにはよく合います。
豆腐屋では、厚揚げ。
「厚揚げは焼いて食べてもいいのか」
と聞いたら、
「自分たちはよく、フライパンで温める程度に焼いて、ショウガ醤油で食べる」
とのこと。
油抜きもせず、そのまま焼いてしまっていいそうです。
さっくりとした表面と、もちもちに柔らかい中身が、両方味わえるのがいい。
これは大変おすすめです。
八百屋では、インゲン。
インゲンを京都では「三度豆」と呼びますが、これは1つの木から3回とれるからだそうです。
「最近のインゲンは、筋がなくて面倒がなくなりはしたけれど、昔の筋のあるインゲンのほうが、本当はやわらかくておいしい」
と、八百屋のおじいさんが講釈を聞かせてくれました。
2~3分塩ゆでし、すりゴマと醤油、砂糖で和える。
インゲンって、まさにごま和えのためにあるような味がしますよね。
酒は日本酒。
昨日も2合飲みました。
散歩もしました。
この花、なんて名前ですか?
同じ形の家に、車まで同じ。
飛行機雲多すぎ。