2012-05-21

呑み屋の探し方。
「焼き鳥」



広島にいた頃は、出張で西日本の地方都市を色々まわる機会があり、そこで呑み屋にもずいぶん行きました。

初めて行った土地で、いい飲食店を探すには、食べログなどもある程度は参考になるのですが、それよりやはり、歩いてみるのが一番です。

繁華街を1時間ほどかけて歩き、すべての店の店構えを見ていくんですが、飲食店はほとんど100%といっていいくらい、店構えを見れば、その店がどんな店だか分かるんです。



繁華街の中心部は、店を借りる賃料も高いですから、お店としても儲けなくてはならず、そういう店は店構えも、道を歩く人に対して、盛んにアピールするようになっています。

中心部にも、いい店はあると思いますが、基本的に値段が高く、または値段が高くなかったとしても、そのかわりお客さんの回転を上げなければならず、のんびりと気安く呑むには適当ではないことが多いように思います。



それよりも穴場は、中心部から離れたところにあるんです。

メインの道から2本くらい離れた道沿いにあるとか、メインの通りから一本入って、さらにもう一本入ったあたりに、ポツリと店を構えているようなところは、いい店であることが多いんですね。



あまり人が来ないような場所にある店は、まず賃料が安いですから、間違いなく値段が安い。

しかし値段が安くたって、人が来なければ、店を続けていくことはできないわけですが、そういう、人通りのあまり多くない場所で営業している店は、店主に自信があるんです。

それは味とか、雰囲気とか、店主により色々ですが、自分はそういう辺鄙な場所でも、人を集める自信があると思うからこそ、そこで店を開こうと決意することになる。

ですからそういう、ちょっと離れたところにある店は、店主の個性が強く出た、面白い店であることが多いです。



さらに店構えですが、見た感じがなんとなく、「無愛想」な感じがするところほど、いい店であることが多い。

厚いドアで閉ざされていたりとかしたら、これはもう、最高です。



お客さんにしきりにアピールする店は、「誰でもいいから来てほしい」と思っている。

その理由は、「儲けるため」ということです。

それに対して、店構えが無愛想な店は、お店のほうが、お客さんを選んでいるということなんですね。

「自分の店の良さがわかる人にだけ来てほしい・・・」

そう思うから、お店の方も、自分がターゲットにする人だけがわかるサインのようなものを、店構えに忍ばせながら、それ以外の人には、ただ「無愛想」としか見えないようにしておく。



繁華街のお店を100軒か200軒、歩きながら見てまわると、だいたい、そのうち1軒か2軒、「なにか」を感じる店があるものです。

一見無愛想な店に入るのは、それなりに勇気がいりますが、そうやってすべての店を見た上で、自分がインスピレーションを感じる店は、まず間違いありません。

僕はそうやってお店に入って、失敗したことは、今まで一度もありません。



店構えが無愛想に見える店ほど、中はあたたかい雰囲気であるものです。

「誰にでもではなく、自分の良さをわかってくれた人にだけ、誠心誠意尽くしたい」と思い、店構えをわざわざ無愛想にしているのですから、あたたかい雰囲気であるに決まっています。

味も、間違いなくうまい。

味は、客観的な良し悪しより、やはり「好み」が大きいと思いますが、店構えでインスピレーションを感じているのなら、その店と、味の好みが合うのも、もう初めから決まったようなものです。



僕が住んでいるのは、京都の「大宮」という場所なんですが、これは偶然なのですけど、「河原町」という京都の一番の繁華街から、2駅離れた、「ちょっと寂れた繁華街」なんです。

そこの大通りから1本、ちょっと寂れた通りに入り、そこからさらに、細い路地を入っていったところにある、厚いドアで閉ざされたバーが、僕が京都で、いつも行っている店なんですが、ここはいいです。

値段も安く、お酒を1杯呑んで、何かツマミを頼んでも、千円でお釣りが来ます。







昨日の晩酌は、まずは焼き鳥。

いつもは丸ごとの鶏もも肉をフライパンで焼くところを、ただ切って串に刺して焼くというだけの話ですが、そうするとまた雰囲気が出て悪くありません。

鶏を焼くには、くれぐれも焼き過ぎないことが大事です。

昨日はいつもと勝手が違ったため、ちょっと焼きすぎて、すこし固くなってしまいました。


<材料>

・ 鶏もも肉  200g
・ 長ねぎ  1本弱

・ 塩

◎タレ
・ 醤油  大さじ1
・ みりん  大さじ1
・ 酒  大さじ1
・ 砂糖  小さじ1

・サラダ油  大さじ1

※ 分量は、いずれも「くらい」です。


<作り方>

1. 鶏肉と長ねぎを、適当な大きさに切り、竹串にさす。塩で食べる分は、あらかじめ1本につき小さじ2分の1程度の塩をふっておく。

2. フライパンにサラダ油を入れ、串にさした鶏肉を焼く。焦げ目がついたらひっくり返し、フライパンのフタをして、弱火で2~3分焼く。

3. 焼けた鶏肉をいったんすべてとり出し、そのままフライパンにタレの調味料を入れ、弱火で煮詰める。タレが煮詰まってきたら、タレの分の鶏肉をフライパンにもどし、よくタレをなすりつければ出来あがり。

4. 塩の方には、好みでレモン汁とわさび、タレの方には辛子や七味を付けて食べる。





あとのメニューも、昨日は居酒屋っぽくまとめてみました。

小松菜のおひたし。

おひたしは、ほうれん草が定番ですが、小松菜でもおいしいです。

小松菜は火を通すのに時間がかかるし、アクもそれほどありませんので、ほうれん草とはちょっと違うやり方をしたほうが、やりやすいんじゃないかと思います。


<小松菜のゆで方>

1. 小松菜を、あらかじめ4~5センチ長さに切る。

2. 鍋に湯を沸かし、2~3分ゆで、茎を1本食べてみて、ちょうどよい加減になったらザルに上げる。

3. 水にはさらさず、そのまま常温で冷やして、冷えたら軽くしぼって器に盛り付ける。





冷奴。

これは、作り方も何もありません。





しじみの潮汁。

しじみの潮汁は、値段も安く、作るのも簡単、味もよく、2日酔いにも効果があります。

あらかじめ砂出ししておくのが、面倒といえば面倒ですが、それさえしてあれば、ものの10分もあれば出来てしまいます。

好みでとろろ昆布を入れても、またおいしいです。


<材料>

・ しじみ  100g
・ 水  カップ2
・ 酒 大さじ1

・ うすくち醤油  小さじ2分の1
・ 塩 少々


<作り方>

1. カップ1の水に対して、塩小さじ1程度を溶かし込んだ水に、しじみを1時間ほどつけ砂出しし、そのあと両手でよくこすり合わせるようにしながら、よく水洗いする。

2. 鍋にしじみと水、酒をいれて中火にかけ、アクを取りながら、しじみが全部、口を開くまで煮る。

3. 火を止めて、うすくち醤油を入れ、味を見ながら塩をほんのちょっぴり入れれば出来あがり。





今朝は金環日食でした。

「見られたら見よう」くらいに思って寝たんですが、起きたら朝8時。

ちょうどまさに、金環日食が終わったばかりの時間でした。ギャフン。

写真は、金環日食が終わった直後の空。