2012-01-22

変わった具材で、広がるバラエティ。
「タラとジャガイモのキムチ鍋」


キムチ鍋は、すっかり日本の定番料理の一つとなりましたよね。

1年ほど前に、「笑っていいとも」で、「好きな鍋料理」のアンケートをとったら、「全世代でキムチ鍋が1位になった」というので、

「韓流ドラマを抱えるフジテレビが、事実を韓国寄りに捏造したのじゃないか」

と話題になったこともありました。



キムチ鍋は、「キムチと豚肉、豆腐、アサリ」を入れるのが、定番じゃないかと思います。

この4つは、たしかに黄金ともいえる取り合わせで、何ともおいしいのは間違いありません。

でもせっかくなら、もう少しちがう具材に挑戦し、キムチ鍋のバラエティを広げられたらと思うところでもありますよね。



そこで「変わりキムチ鍋」として、メインの具材におすすめしたいのが、タラ。

韓国では、タラを入れた鍋は「タラチゲ鍋」として、大変ポピュラーなんですね。

タラはもちろん、魚屋であらでも安く手に入れば最高なんですが、スーパーで安く売ってるアメリカやロシア産の塩タラでも、まったく問題なくおいしくできます。



そして、このタラにあわせる具材として、ジャガイモ。

韓国のタラチゲ鍋では、大根を入れるのが定番なんですが、それを大根ではなく、ジャガイモを入れると、大変おいしいです。

タラにジャガイモは、スペインあたりのスープ料理で、定番の組み合わせなんですよね。

キムチ鍋にあわせても、とてもイケます。



具材はその他、絶対欠かせないのは、玉ネギ。ジャガイモと玉ネギの組み合わせが、またいいんですね。

あとやはり絶対欠かせないと思えるものは、豆腐。キムチ鍋の辛い味に、淡白な味の豆腐は、心休まるひと時です。

それからもちろん、アサリも入れるとおいしいです。

そのほかにはシメジと長ネギを入れましたが、キノコ類はなんでもいけると思いますし、春菊や小松菜などの青菜類も、イケますよね。

キムチを入れるのなら、白菜は入れないほうがいいと思いますけど、キムチを入れずに作るなら、白菜も悪くないかもしれません。



キムチ鍋には、「キムチ鍋の素」を使う人も少なくないかもしれません。

それも悪くありませんが、自分で味付けをするのも、韓国の食材さえあれば、それほど難しくありません。

料理は自分で味付けしたほうが、自分好みの味になリますし、おまけに料理の構造がわかってくるということもあるので、楽しいですね。



だしは、和風だしを強めに取ります。

これは昆布と削りぶしのだしですが、昆布と煮干しでもいいですね。

だしパックや、なんなら粉末のだしを使っても、もちろん悪くありません。



このだしに、韓国風の味付けをしていくわけですが、「キムチとコチュジャン」を入れるというのが、定番のやり方でしょう。

コチュジャンは、甘辛い豆味噌のことで、スーパーにも売ってますから、手に入りやすいですよね。

これに酒と醤油を足せば、十分イケる味になりますし、お子さんのいる家庭なら、このくらいにしておいたほうがいいですね。



でも辛いのが好きな人や、刺激が好きな人にとっては、これでは物足りないのも事実です。

コチュジャンは、辛味が弱い上に、甘みが強いので、たくさん入れてもあまり辛くならず、しかも甘さが増してしまって、味のバランスが崩れてしまうことになるんですね。

そういう場合におすすめしたいのが、「コチュカル」です。

コチュカルは、韓国産の粉唐辛子のことで、スーパーにはまず売ってないんですが、韓国食材を売ってる店に行けば、手に入ります。

値段もバカみたいに安くて、だいたい上の分量で、それぞれ100円程度です。

コチュカルは、左の粗挽きと、右の細挽きがあります。

細挽きのほうが辛く、粗挽きは、赤い色を引き立てるためにあるようです。

キムチ鍋を辛くする時には、これを両方使います。

日本の一味唐辛子に比べると、辛味はそれほど強くないので、粗挽きと細挽きそれぞれを、大さじ1~2杯入れると、かなり本格的な味になります。

もしコチュカルがなかったら、豆板醤を使ってみるのも、悪くないかもしれません。



あと、鍋をより本格的に韓国風にしたいと思ったら、ニンニク。

これはすり下ろしても、みじん切りでもかまいません。

ニンニクの量ですが、1かけ入れれば、日本人的には十分というところでしょう。

でも韓国の人は、たとえば4カップのだしがあったとしたら、3かけは入れるんじゃないかと思うんですよね。

韓国風の味が好きで、しかも翌日、誰かに会う予定がないのならば、ニンニクをたっぷり入れて、韓国風情を満喫するのも、悪くないでしょう。



じつは韓国料理の調味料ですが、メインになるのは、

「酒、醤油、コチュカル、ニンニク、それにゴマ油」

です。

キムチとコチュジャンは、まったく入れなくても、上の5つを入れれば、きちんと韓国風の味になるんですね。

とくにコチュジャンは、「コク出し」として考え、あまり入れすぎないのが、味をうまく決めるポイントじゃないかと思います。



だしの調整が終わったら、まずタラ。それから5ミリ幅程度に切って、水に浸けておいたジャガイモ、玉ネギ、豆腐を入れて、5分ほど煮ます。

つづいてシメジ、長ネギ、それに砂出ししたあさりを入れ、さらに5分ほど煮ます。

あさりの口が開いたら、ゴマ油を大さじ1ほどたらし込んで、完成です。



これは、ぜひやってみてほしいです。

大変うまいです。

タラとジャガイモの取り合わせが、ちょっと意外な感じはしますが、キムチ鍋の辛い味に、ほんとに合います。



酒は、ビールや焼酎でもいいでしょうし、韓国料理には日本酒が、まったく問題なく合いますね。

またご飯の上からキムチ鍋をかけ、クッパにして食べるのは、おいしいのは言うまでもないでしょう。