2011-12-18

汁をたっぷり吸ったカブは、たまらない。
「カブと鶏の鍋」


カブが旬の盛りをむかえ、大きなカブが、安く売られるようになっている。カブは漬物もうまいが、汁をたっぷりと吸い、やわらかく煮えたカブは、また何ともたまらない。

そう思い付いたら、鍋にするのが手っ取り早い。あとはカブといっしょに、どういう材料を、どんな味で煮るかを考えることになる。



カブは、何といっしょに煮てもうまいが、今回は鶏肉。鶏肉は、日本産でも安いが、ブラジル産ともなると、激安価格で売られているのが嬉しいところだ。

鶏肉といっしょに入れて、味を出すのにうってつけなのは、長ネギとシイタケ。長ネギとシイタケ、それに鶏肉のトリオは、味出しについては最強だ。

鍋は、味をだす奴だけじゃなく、味を吸い込ませる奴も、きちんと用意しておかないと、片手落ちとなる。もちろん、今回の主役のカブが、味を強力に吸い込むことになるのだが、もう一人、油揚げ。二人でだしを、思い切り吸い込んでもらうことにする。

あとは、カブの葉。茎はかたいから使わない。



鍋に入れる材料は、切り方によっても味が変わってくる。カブなどは、できるだけ大きく切ったほうが、ホクホクなおいしさを味わえるが、そうするとどうしても、煮るのに時間がかかることになる。鍋に入れるのには、小さなカブなら4分の1くらいでいいかもしれないが、今回のは随分大きかったから、8分の1にカットした。

長ネギも、鍋に入れるには斜め切りにするのが普通だが、筒切りにブツブツと切ると、またちがった食べごたえがたのしめる。



カブはどんなだしにもよく合うが、今回は和風だし。鶏肉を入れるから、昆布だけで取っただしでも、さっぱりして十分うまいが、さらに煮干や削りぶしを加えると、濃厚な味になる。

肉を煮るときなど、濃い味のだしを取るときには、昆布を水にいれ中火にかけて、沸騰したら削りぶしをいれ、そのまま弱火で2~3分、煮出してしまう。これをザルにペーパータオルをしいて濾す。もちろん手軽にだしパックなどを使っても、悪いことはない。

取っただしに、まず日本酒をたっぷり入れる。多くのばあい、日本酒は多ければ多いほどうまい。水をまったく入れず、日本酒だけで煮る、贅沢な鍋もある。

次にみりんを少々。甘みの具合は、完全にお好みしだいだ。

ここに、うすくち醤油かふつうの醤油を、味をみながら慎重に入れていく。

だしの味と、みりんの甘みと、醤油の塩気を、どういう加減にするのか決めるのも、鍋の大きなたのしみとなる。



昨日の残りのイワシの煮付けをつまみ、温かい酒をのみながら、卓上のコンロでカブを煮ていく。



カブは火が通るのに、すこし時間がかかるから、先に鶏肉とカブをいれ、カブに火が通ってきたら、残りの材料をいれるようにする。

鍋はあくまで、小さめのの火で、コトコト煮る。じれったい気持ちで待てば待つほど、味が増す。途中で汁が煮詰まってきたら、水を足す。

煮上がったカブは、七味をふって食べる。



翌日は、残しておいた汁と材料で、うどんすき。これはもちろん、食べられるなら、初めからやってもいいのは、言うまでもない。