2011-08-24

イカの肝は今日も偉かった


一昨日のイカと里芋の煮付けで、すっかりイカ君ファンになってしまった僕。今までイカ君を甘く見ていたというのは、なんとも申し訳ないことだ。あのさっぱりした味の体の奥に、あんなに濃厚な味の肝を隠し持っていたとはな。イカの塩辛があるんだから、わかってはいたはずなんだが、本当にはわかっていなかったってことだ。

煮付けを食った時点で、この肝を使って焼きそばを作ったらうまそうだと思い付いたのだが、何も二日連続でイカを食わなくても良さそうなものなのに、昨日もグルメシティにイカ君がわりと安く出ていたので、我慢できずにイカ焼きそばを敢行することにした。ニラと一緒に炒め、しょうゆと酒に肝を溶かし込んだタレで味を付けたら、いかにもうまそうじゃないか。



イカは今回もイマイチうまく捌けなかった。昨日グルメシティで、鮮魚コーナーの兄ちゃんに、胴体の袋の手前の部分に指を入れ、一点を外すと簡単に取れるとは聞いていたんだが、その一点がどこだかよくわからん。ブラのホックが外せない男みたいだ。無理やり引っ張ったら墨の袋が破れてしまった。

こういう丸ごとの魚類を捌いたりする時、改めて、人間が他の生命を犠牲にすることにより、自分の生命を得ているということに、ちょっとだけ思いを馳せたりすることになる。それをあまり良くないと思う人達もいるわけで、動物を殺すのはかわいそうだから、植物だけ食べようとかいう人もいる。動物には人間と同じような意識があるから、ということだと思うが、植物には意識がないと、誰が決めたんだ。

しかし僕がイカ君を食うのは、間違いなく、一つの愛情表現であるということだ。べつにイカ君が憎くて殺すんじゃない。イカ君があまりにうまいから、その愛情のあまり殺して食うということになっている。これはイカ君からしてみたら、迷惑なことかもしれないが、少なくとも人間が飯を食うために、他の生き物を殺すということについて、人間同士の戦争などと同列に考えてしまうことは、ちょっと違うんじゃないかと思うんだがな。



というわけで、イカの胴体と足は、今回は焼きそばの具だから細長くなるように切って、肝はタレに溶かし込む。タレはしょうゆと酒、チューブのニンニクと生姜。これにニラを合わせる。前に牡蠣とニラを炒めたのを中華料理屋で食ったことがあって、それがとてもうまかったのを思い出したのだ。


ごま油でイカを炒め、火が通ってきたらタレを注ぎ込む。ここに焼きそば麺とニラを入れ、よく炒めてコショウをふったら出来上がり。軽く酢をふって食う。



これもですねえ、死にました。イカ君ほんとにエライ。濃厚な味がしてほんとにたまらん。また予想通り、ニラとの相性もバッチリでした。

これこのままで十分うまいんだが、もしかしたら鷹の爪を入れて、ちょっとピリ辛にしても、さらにうまいような気もするんだよな。まさか今日はやらないと思うけど。

炒め物は日本酒には合わないというのが、僕のこれまでの考えだったのだけれど、これはバッチリ合いましたな。