2011-08-04

スーパーは楽しいよ


昨日はほんとうは、「ネバネバ冷やしそば」を作ろうと思ったんだよ。

とろろやら納豆やら、オクラやらなめこやら。それを冷たいそばの上にかけて、かつお節ときざみ海苔をふりかけ、しょうゆをぶっかけて食べる。いかにもウマそうじゃないか。

ツイッターのフォロワーさんが、そういうの作るって言ってたから、僕もやってみようと思ってスーパーへ行ったら、なんとオクラが198円。

198円。なにそれ。

この頃の野菜の高値は、考えられないものがあるな。ニラは178円の高止まり。ニラを入れたソーミンチャンプルー作りたいと思ってるんだが、こんなに高くちゃ買う気にならん。

でも聞いたら、広島ではこんなに高くないと言うんだよな。ニラもオクラも、いつも通り100円しないで売ってると。これは京都だけの現象なのか。

いずれにせよ198円のオクラは買う気がしないから、ネバネバそばを食うのはあきらめて、ちがうもんを探すことにした。


しかしスーパーってのは、食べるものを決めて、メモでも見ながら手際よく買い物するよりも、何を食おうかと考えながら、ああでもないこうでもないと、店内をうろうろするのが楽しいんだよ。

僕はだいたい、スーパーへは何も考えずに行くけれど、食べたいものは必ず見つかる。季節のものとか特売のものとか、普段あまり見かけないものとか、そういうのを見つけると、食べてみたくなるんだよね。それでそれから、それではそれを、って「それ」が4回も続いたが、どうやって食べようかを考え始める。これが一番楽しいね。

料理の方法をまだあまり知らない時は、見かけたものをどうやって料理したらいいのか分からない場合がある。でも怖れることはない。

知らないものを見た時、人間って、まずマイナスの感情が働いてしまうものなんだよな。自己防衛のためだと思うけど。

「わからない」

って思って、心を閉じてしまう。

でもだいたい、しばらく我慢して、もやもやと思いをめぐらせていると、何かが思い浮かぶものなんだよ。そしたら自分の直感を信じて、その通りにやってみる。

そういう時、ぜったい料理の本とかネットのレシピとか、確認しないほうがいいよ。そちらには必ず、自分が思い付いたものより良さそうなやり方が載っているから、「私の考えたことなんかつまらない」などと思って、それを捨ててしまうことになる。でもそうしてしまうと進歩がないからね。


スーパーで、「食べてみたいな」と思うけれど、料理の仕方が分からない食材を見つけた時、どうしたらいいか。僕がやるのは次の3つ。

「今まで食べた料理を思い出す」

これはけっこう強力で、意外に何かが引っかかってくることがある。またその食材そのものでなくても、関連したものが思い浮かび、その食材の使い方が分かることもある。

「店員に聞く」

これは夜遅い時間帯だと、社員は帰ってしまっているから使えない手なのだが、店員がうろうろしている場合、つかまえて聞いてみると、すごいていねいに教えてくれる。特に鮮魚コーナーのお兄ちゃんとか、聞かれると嬉しいんだろうな、ここぞとばかりにうんちくを披露してくれる。僕は鮮魚コーナーのお兄ちゃんとは、毎日挨拶する間柄だ。

「魚なら塩をふって焼く。野菜なら塩ゆでする」

これは最終手段だが、ほとんどの魚や野菜は、こうやれば食べられる。食べてみて、味がわかれば、また新しい料理法も思い浮かぶしね。


昨日は冷蔵庫に鶏もも肉が入っていたのを思い出したから、それを使って何を作れるか、あれこれ考えた。

鶏の鍋は、こないだやってしまったばかりだから、違うのがいいなと。炒め物がいいなと思うのだけれど、鶏肉の炒め物というと、まず思い浮かぶのが、ナスと一緒に味噌炒めにする。次に思い浮かぶのが、玉ねぎ。あとはピーマン。あとはどうだろう。他に何かありますかね。

というわけで、鶏肉をピーマンと一緒に炒め、しょうゆ味を付けて、いつものように焼きそばにすることにした。

鶏肉は、できるだけ細長くなるように切るのだけど、薄切り肉とちがってどうしても厚みがあるから、炒めながらタレを入れるだけでは味がしみない可能性がある。それで塩をひとつまみふり、しょうゆをたらりとたらして、手でもみ込んでおくようにする。

野菜はピーマンに、味出しのためのシイタケと玉ねぎ。シイタケに玉ねぎ、鶏肉というのは、黄金のトライアングルであることがわかったから、炒め物にも採用するのだ。

タレは多めの日本酒に、材料を見ながら慎重に量を決めたしょうゆ、チューブのニンニクとショウガ。

作り方はいつもと同じ。

鶏肉を炒める。

鶏肉のように、ちょっと厚みのあるものを炒める時、感覚としては、炒めるというより「焼く」に近いのだ。あまりガチャガチャ動かしたりするのなく、フライパンの上に放置して、そのまま火を通す。けっこう火が通り、焦げ目が付いてきたら、ガシャガシャ動かしてひっくり返す。でも一個一個箸でつまんでひっくり返してもいいくらい。

鶏肉に火が通ったら野菜を入れる。

ちょっと炒めたら、タレを入れてひと混ぜする。

麺を入れ、汁気がなくなるまで炒めて出来上がり。

かなりイケましたですよ、これ。でももう少し手早く炒めて、シャキシャキ感を残せたらもっと良かった。

酒は賀茂鶴、本醸造からくち。これはうまいわ。