2011-01-16

牛肉と大根の韓国風煮込み鍋

こないだグルメシティへ行ったら、アメリカ産牛肉の肩ロースかたまり、100グラム98円で売ってた。
グルメシティでは、豚肉はアメリカ産、牛肉はオーストラリア産と住み分けしていたのだが、アメリカが牛肉に殴り込みをかけたということなのか。
しかしどちらにしても、日本産にくらべると圧倒的に安く、日本の酪農家はどうなってしまうのかと、ちょっと心配しながらも、買うのは安いほう。
とりあえずいまは、お金のある人が、日本の農家を支えてくれ。

500グラムくらいあるでかいのを、2日分と思って買い、冷凍庫に保存していたのを昨日解凍。
電子レンジがないので、ぬるま湯につけて溶かす。
ほんとは前日に冷蔵庫に移しておけばいいのだが、僕は計画性に欠けるのだ。

これをぶつ切りにして、コトコト煮ようじゃないかというわけで、味はあまり付けずにおいて、昨日と今日でちがう味を楽しもうという企画。
2日分の鍋に使うので、水もけっこうな量になり、骨じゃないからそれほど濃厚なだしが出るでるわけでもなく、全体としてしゃばっとした、淡い味になるのだが、そういうのもまた、素朴でしみじみとしていて、なかなかいい。

以前台湾に行ったとき、麺類などの汁物や、お汁粉までも、汁が日本で食べるものより、ぜんぜんしゃばっとしていた。
日本人って、コクとかまろやかさとかが、とくべつ好きな人種なのだろうな。
味の素が発明されて以来、たぶんその好き度は加速していて、旦那が天然だしで作った味噌汁を、味がしなくてまずいから味の素を使えと言われたと、嘆く奥さんの話を聞くことがあるが、べつに味の素が好きな人は使ったらいいし、僕もラーメンは好きで、ラーメンには味の素を入れたほうがうまいという考えなのだけれど、そういう刺激の強い味ばかりじゃなく、たまには淡い味のものを食べて、舌を鍛えるということもあってもいい。

ちなみに韓国では、日本とちがって、重視されるのは、うまみよりはむしろ、辛味とニンニクの味なのじゃないかと思うのだよな。
だから韓国へ行って、韓国料理をしこたま食べて帰ってくると、日本の料理は何を食べても、塩っぱいばかりで味がしないように感じてしまう。
味というのも国によって、ずいぶんちがうものだよな。

というわけで、酒をガバチョと入れた水に、ぶつ切りにした肉を入れ、火にかける。

アクが驚くばかり、大量に出てくるから、これをていねいに取る。

おおかたアクが出てこないようになったなら、ニンニクをたっぷり入れ、煮込み開始。

ちなみにアクは、あまり取りすぎてはいけないのだ。
とくに煮込み中盤になると、脂が浮いてくるのだが、これはうまみのもとだから、取るとせっかくの味がなくなってしまう。

昨日は5時間煮てみた。

ほんとはこれ、圧力釜を使えば、10分とかですんでしまう話なのだが、こうやって時間をかけるからこそ、初めて見えてくるものもあるというものだ。

今日の分を取り分けた汁に、塩で味を付け、これで大根を30分くらい、やわらかくなるまで煮る。
もちろん大根が煮えたら、火を止めしばらく冷ましておく。

あとはこれに、水菜と油揚げを入れ、ひと煮して出来上がり。

今回やっと、肉がホロホロにやわらかくなり、これと味のしみた大根のコンビネーション、いやたまらんです。
煮込み料理に水菜と油揚げを入れるというのは、京風おでんがこういうやり方したりするのだが、煮込みのこっくりとした味とのコントラスト、かなりいいと僕は思います。

菊正宗の熱燗を、昨日はずいぶん飲んだという感じで3合。