2010-11-18

高安

こないだ紅葉狩りをしに行った帰りに、一乗寺にあるラーメン屋「高安」に寄ってきた。

一乗寺あたりというのは、京都における重要なラーメンスポットで、色んなラーメン屋が50メートルおきに軒を並べる、というような場所なのだが、家からチャリンコで行くと小一時間かかるので、そうしょっちゅうは行けないのだよな。その中でも高安は、京都における超人気店の一つで、僕も京都に来たばかりの頃、一度来て、大変おいしかった覚えがあるのだけれど、まだ京都のラーメンをほとんど食べたことがない時だったので、以来京都のラーメンも、食べ歩いて幾千夜、ということもないが、京都のラーメンについて、全貌をいくらかつかめるようになった今、もう一度食べてみたいなと前々から思ってたのだ。


店内は白で統一されていて、ほとんどカフェのような雰囲気。ラーメン屋なのにカフェみたいって、ほんとに京都のセンスだと思うのだよな。豆腐に劇画、とかいうのもそうなのだが、京都はただうまいものを食べるということだけでなく、さらにそれを食べるシチュエーションというものを、どう洒落たものにできるのか、全力で考える文化があるような気がする。湯豆腐とかもそうだしな。どんなにうまいと言っても、たかが豆腐、と言ったら怒る人もいるかもしれないが、それを旅館のような広大な、きれいな庭付きの建物で食べさせることで、名物にまで仕立て上げてしまう。これはまさに、千年以上京都であったことによって鍛えられた、京都ならではの技だよな。


ラーメン、650円。前に来たときはよくわからなかったのだが、こってり系だった。鶏のだしを白く濁るまで、こってりと取るわけなのだが、ここのスープはこってりとしていながら、しつこさがまったくない。むしろ透明感があって、あっさりしていると言いたくなるようなもので、このこってりとあっさりの二律背反を共存させたことが、この店の人気の秘密なのだな。カフェみたいな店内なのに、昔ながらのトラディショナルなラーメンどんぶりというのも、かなりセンスいい。お客はほとんどが、ファッショナブルな格好をした若い男女。カップルも多い。かっこいい場所、しかもおいしいよね、みたいな評価なんだろうな。