2010-10-27

中国マッサージ

家から徒歩2分というところに、中国マッサージの店がある。家は、徒歩1分の場所にはガールズバーがあるし、なかなかの環境なのだ。中国マッサージは日本全国津々浦々、繁華街と言われる場所にはどこにでもあるだろう。さすが華僑の伝統を持つ国、自分のところで食えないとなったら、さっさと外へ出ていくのだ。繁華街には以前は韓国人も多かったが、国が豊かになってきたからなのか、あまり見かけなくなってきた。

中国マッサージといってもピンからキリまであるわけだが、家に近くのはピンでもキリでもない、標準的なやつ。エッチなサービスは一切なしで、普通にからだを揉んでくれる。マッサージとかにあまり行ったことがない人は、マッサージ店の良し悪しというものは、技術力で決まると思うかもしれないが、もちろんこれも商売だから、そんな簡単なことじゃない。男の客を相手にして、女が商売するわけだから、当然そこに色んな力学が働くわけだ。

中国人の女性というのは、日本人に比べると素朴に見えるから、僕のようなバカな男は、すぐにほだされてしまって、優しげな紳士を気取りたくなってしまう。でも実は、中国人というのは国民的に、商売に対して貪欲な人たちなのじゃないかという気がする。中国スナックなどでも、20歳くらいにしか見えない、純情可憐なオネエちゃんが、ドリンクや延長を、何のてらいもなくせがんでくる。罪悪感など微塵も感じていない。

日本人的な感覚からすると、オネエちゃんがどんなにかわいく、サービスが良かったとしても、そのことと、そのオネエちゃんにたいしてお金を払うということは、やはり別のことだ。日本というのは、無償の行為が尊ばれる国だから。そこで「システム」というものが登場することになる。オネエちゃんとお客とのあいだにシステムが介在して、これはこういう理由で、当然お金を払うものである、という理屈付けをするわけだ。

ところが中国人の場合、それは何の疑問もなく直結している。「私のことを好きだったらお金をちょうだい」ということを、20歳のオネエちゃんが、屈託なくアピールしてくる。バカな日本人にとっては、そのあり得ないストレートさが、逆にシステムに縛られている自分から見て、かわいらしいことのように思えてしまって、お金を注ぎ込んでしまうことになるわけだ。

中国はこのところ、経済的に実力をつけてきて、日本ともいよいよ、摩擦が起こり始めている。でもこういうのって結局、それがどんなものであれ、やりたい事がある方が勝つ気がするな。いま日本として向かっていきたい目標とか、なくなってしまっているものな。とは言ってももちろん、ダメなものはダメと、きちんと線を引いていかないと、有り金をぜんぶ取られてしまうことになるのだが。