2010-09-16

レッド・ツェッペリンDVD

僕はこのブログに、レッド・ツェッペリンについての中途半端な文章を、何度も書いていて、まあこんなのは、レッド・ツェッペリンを知らない人にとっては、あまり関係ないことだろうけれども、僕にとっては、ツェッペリンは神みたいな存在で、というのは、高校以来、今にいたるまで、聞き続けていて、いまだに最高にかっこいいと思ってしまう、なんでそんなにいいと思うのか、自分なりに解明したいと思うのだけれど、どう説明しても、汲み尽くされた感じがしない、そういうバンドなのだ。

レッド・ツェッペリンDVD」は、2003年、ツェッペリンが解散してから20年以上たってから発売された、ツェッペリンの最初期から、最後期までのライブの模様を網羅したDVDで、前に一度買ったのだが、バンドをやっている息子にやってしまって、でもやはりまた見たくなったので、あらためて買い直したのだ。
Amazonで買ったのだが、新品がもう売っていなくて、中古品だけだった。
でもDVDは、キズでもついていない限り、中古品でも画質は変わらないから、安い分よかったが。

2枚組になっていて、1枚目に、1970年という、ツェッペリン最初期のライブの模様が、登場からアンコール終了まで、全編にわたって収録されているのだが、何といってもこれが圧巻。
やはりツェッペリンは、僕は最初期が、一番いいと思うのだよな。
ロバート・プラントは、ある時期から喉を痛めてしまって、売り物だった高音が、まったく出なくなってしまったし、ビッグネームになって以降は、演奏が余裕をかましている、というところもあって、それはそれで、ファンとしては味わうべきところもあるのだが、それよりは、ほとんど世の中に挑戦しているかのような、ガリガリとした音をまっすぐぶつけてくる、デビューから2、3年くらいのあいだが、僕はやっぱり好きなのだ。

今回またこのDVD、最初期のライブの模様をあらためて見て、見ながらもう、あまりにかっこよくて、何度も泣いてしまうのだが、なんでそんなにかっこいいのかということについて、今までは気づかなかった、しかしとても重要なことに、気付いたのだな。
ツェッペリンは、演奏の途中で、何度も止まるのだ。
これがふつうのバンドとは、かなり違っていて、ふつう、曲と曲の間で止まるというなら、まあ当たり前のことで、べつに何ということもないんだが、ツェッペリンは、曲の途中で止まるのだ。
「タメ」みたいなものなのだな。
ガーっと、演奏していたかと思うと、ピタっと止まって、そこでギターのジミー・ペイジと、ヴォーカルのロバート・プラントが掛け合いをしたりして、そのうちまた猛然と走りだして、でもまた止まって、ということを繰り返している。
これはふつうのアルバムではわからないことで、ライブだからこそ、わかることなのだけれど、平たくいえば、「緩急」ということにはなるのだが、それがこうやって、ほんとに立ち止まってしまうというのが、だって目の前には、ホールいっぱいの観客がいるわけだから、それを前にして、立ち止まれるというのが、すごいことだと思うのだな。

ツェッペリンは、10年という活動全体の中でも、何度も、まさに立ち止まってしまうような期間があって、初めに2枚アルバムを出して、その前へ前への、ハードなサウンドが、大きな支持を受け、まさに人気が急上昇したときに、3枚目のアルバムとして、アコースティックギターを中心とした、まったく違った調子のアルバムを出してしまう。
その後人気の絶頂にあったころに、いろいろなアクシデントがあったということもあるが、2年間、活動を休止してしまう。
そうやって考えてみると、ツェッペリンは、「立ち止まる」ということを、まったく怖れておらず、また立ち止まることによって、また新たなエネルギーを獲得するという、そういうバンドなのだな。

自分が自分であることというのは、たしかに走ってしまっている最中は、見えなくなってしまうものであって、立ち止まってみて初めて、自分のやりたい事というものが、見えてくるということもあるわけだ。
結局いちばん大事なことって、そういうことなのだろうなと、まあこれは、自分に引き寄せた考え方ではあろうけれど、思ってしまう、今日このごろ。

★★★★★ 5.0
レッド・ツェッペリン DVD(通常版)